川田 〜 人形町 | 下町風来坊の備忘録

下町風来坊の備忘録

東東京下町在住のオッサン。食べ歩きや海外滞在、ワンコの話題など、たわいもない日常やその時々に思うことを童心で、また今の政治や経済、社会や風潮に対する心情を本音でつぶやいてます。

先日は、ディナータイムとしては久しぶりの人形町へ、本格的な割烹にお邪魔し・・・。

 

こんな秋の味覚をいろいろ堪能させていただきました

 

川田・・・オープン後、まだ1年半の新しい割烹ですが、早くも予約の取り辛い人気店の仲間入り

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日本を代表する伝説の和食料理人のお店、新橋にあった京味の味や精神を受け継ぐ、東銀座の割烹・井雪ご出身の大将が、昨年の2月にオープンした本格的な割烹・・・飲食店が立ち並ぶ、人形町1丁目の小さな雑居ビルB1の奥、比較的地味なロケーション。

こじんまりとしていますが、清潔感のある明るい店内は、8席のカウンターのみ・・・入店するとお香が漂い、どことなく京都の割烹にいるような、落ち着いた雰囲気が印象的。

 
料理はお任せコースのみ・・・まずは小さな温かいお椀から

 

芋茎(ずいき)の吉野煮・・・トロリとした吉野葛の餡に、芋茎独特のシャキシャキ食感がいいですね

 
若狭鰈(かれい)の飯蒸し・・・淡白な鰈を炙り、もち米に乗せて蒸された一品
 
生ビールの後は、ハーフボトルのレニャー シャブリ 2016
 
鰆(さわら)のしゃぶしゃぶ・・・軽く湯通しした、ほぼレアの鰆が浸された出汁が美味
 
秋といえば焼き松茸、岩手県産だそうです
無花果(いちじく)・・・上には甘味噌が乗っています
 
あまり無花果は食べないのですが・・・完熟して程よい甘さの無花果、とろける食感で美味
 
次は日本酒・・・4種類を利き酒して、好みの銘柄をチョイス
 
富山の特別純米酒 羽根屋
 
太刀魚の焼き物と新銀杏・・・これも秋の到来を感じさせます
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次はお造り
 
秋鯛・・・身が締まりと旨みのバランスがいいですね
 
同じく富山の純米吟醸 羽根屋 煌火
 
土瓶蒸しの準備ができました
 
蓋を開けると、松茸の豊潤な香り・・・贅沢にも松茸がタップリ
 
鮎の焼き物・・・蓼酢に漬けて
 
3度目の松茸登場、今度はフライにして
 
ワインボトルのようですが日本酒・・・岡山の純米大吟醸カモガタ
 
次は焚き物・・・器にもこだわってます
 
生麩と海老の煮もの
 
〆は釜戸で炊き立てのご飯を、数種類のいろいろなスタイルで味わえるのがこのお店の特徴・・・赤出汁や香物と共に
 
ここでも松茸・・・松茸の炊き込みご飯
 
生筋子掛けご飯・・・いくらではなく、塩味を押さえたマイルドな筋子
 
白ご飯と、鯛の胡麻だれが敷かれた鯛のお造りが登場
 
鯛茶漬けのようにご飯に乗せて・・・このご飯が本当に美味
 
次はちりめん山椒・・・山椒がピリッとアクセント
 
最後は和牛の時雨煮
 
〆は作り立てのわらび餅
 
ちなみに私は、京味にも井雪にもお邪魔したことがありませんので、比較しようもないのですが・・・京都の本格的な割烹のような、正統派な日本料理。
どれもひとつひとつ、丁寧に作られている料理は、一見地味ながら、王道かつ繊細で季節を感じさせるものばかりでもちろん美味、腰が低くて優しそうな好青年の大将、居心地のいい店内、総じてとても満足、春夏秋冬、季節ごとに通いたくなりそうな、とてもいいお店ですね。
 
ただ・・・会計時に提示された、6ケタの数値を見てビックリ。
今やどこの割烹や鮨店もわりと明瞭会計、定額のお任せコース料理代金に、ドリンク代とサービス料&消費税を上乗せするだけなので、コース外で料理を追加したり、高めのボトルワインでも注文しない限り、経験上、料金はほぼ予想の範囲内で納まるものなのですが、う~ん、数千円程度ならともかく、さすがに3万円以上も差があると・・・。
素晴らしい京味風の秋味体験が、最後の最後にチョッピリ後味悪くなってしまいましたが、まぁたまたまなのかもしれませんし、この手の高級割烹にはまだまだ不慣れな私、これも貴重な経験なんでしょうね。(^_^;)
それでも、都内でもっとも勢いを感じる和食店、今回お邪魔できてとても満足でした。