エクアトゥール ~ 元麻布 | 下町風来坊の備忘録

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東東京下町在住のオッサン。食べ歩きや旅、ワンコの話題など、たわいもない日常やその時々に思うことを、童心で馬鹿正直に、また今の社会や風潮に対する心情を、ぼんやり本音でつぶやいてます。

先日のディナーは、六本木・西麻布・麻布十番・広尾の中間点にある、ちょっと隠れ家的なレストランに初訪問。

 

こんな感じのカウンターにて

 

元麻布の閑静な住宅街・・・灯がともる手前のマンション2階にある1室がお店になっていますが、もちろん何の目印もなく、つい通り過ぎてしまいそうです

 

目印はこの表札だけ・・・エクアトゥール(赤道)という名のレストラン

 

フレンチをベースに、和や中華の要素も加わった、いわゆるフュージョン系のコース料理を、上質なワインと共に味わえる、普段は新規予約の取れないレストラン、数年前には、食べログの総合ランキングで、トップの座を獲得したこともあるそう。

 

こじんまりとした店内は、ちょっとお洒落なワインバーのよう・・・L字カウンターの一番奥の席に案内され

 

6名のカウンターに、6名が可能な個室のみの小さなレストラン、3階にも仮スペースがありますが、他店にレンタル中だそう。

もう少し薄暗く、ムーディーな感じかと思いましたが、意外に明るくカジュアルな雰囲気。

もともとはオーナーでもあるマダムとシェフが、二人三脚で運営していたそうですが、現在は支配人らしき男性の他、若い男女それぞれ1人ずつのスタッフさんもいました。

 

まずはシャンパーニュから・・・ラルマンディエ ベルニエ

 

ちなみに新規予約がほぼ不可能ということは、当然、常連客がほとんどということ・・・多分個室を含めて、新規の客は私たちだけ、何とも久々に味わうこのアウェー感、慣れるまで、ちょっと時間が。(^-^;

 

テーブルクロスの上には持ち帰りもできる箸

 

料理はシェフのお任せコース、ワインは料理に合わせてペアリングでお願いしました。

 

まぐろ大トロ 柚子・あおさ海苔のジュレ キャビア 紫蘇の花

 

ジュレの下に脂の乗った大トロ

 

ブルゴーニュ・・・ジャック・カリヨン ピュリニー モンラッシェ 2010

 

ちなみに私たちのお隣は、成金風情の中年男性とパパ活女子っぽい若い女性の2人組、男性がもうずっと、金儲けの自慢話など、無遠慮に大声で話し続けてまして、何気にそれをずっと隣で聴かされ・・・耳障りですし、彼らが話す際の飛沫が気になりましたが、これだけはもう避けようにないですからね。(^-^;

 

焼とうもろこしの温かい茶碗蒸し・・・これに次の工程が

 

フォアグラのアイスパウダーを掛けて・・・温と冷のハーモニー

 

最初の焼立てパン・・・パンはお代わり自由

 

江戸前穴子のフリット・・・塩が掛かってますが、好みでタルタルソース

 

カラッと揚げた薄い衣の穴子・・・塩味だけで十分美味です

 

ボルドー・・・ドメーヌ デュ シュヴァル ブラン 2014

 

ところで、お店のHPでは、華麗なる経歴や写真などから、ちょっと華やかなオーラを感じるマダム、個人的にもっとプロのマダムっぽいというか、社交的な接客スタイルを勝手に想像していましたが・・・まぁいい意味でわりと普通の方。  (^-^;

常連さん方との応対を見ていると、高級レストランのマダムというより、ちょっと良さげなスナックのママさんのよう、でも話すとにこやかで感じも良く、むしろこの普通な感じが、客としても気楽でいいのかも。

ちなみに他のスタッフの方々も、皆さんとても感じのいい方々でした。

 

モンサンミッシェルのムール貝とサップ茸のクリームリゾット

 

ムースの中にはムッチリとしたムール貝、食感のいいサップ茸

 

コート・デュ・ローヌ・・・ドメーヌ・ジャン・ミッシェル・ゴヌーのムルソー ペリエール プルミエ クリュ 2011

 

2つ目のパン・・・何気にパンがおいしい

 

コート・デュ・ローヌの赤・・・ドメーヌ・ジャン・マルク・ボワイヨのヴォルネイ プルミエ クリュ 2010

 

フカヒレと黒トリュフのスープ仕立て

 

黒トリュフの豊潤な香り・・・一見、中華スープのようですが、フォンドボーでフレンチ風に仕立てています

 

イタリアの古酒・・・バローロ フォンタナ フレッダ 1970

 

雲丹とオマール海老 カリフラワームース コンソメジュレ

 

プリプリのオマール海老と濃厚な雲丹のマリアージュが絶品

 

3つ目のパンはちょっと甘めのデザート風

 

コート・デュ・ローヌ・・・シャトー・デ・トゥール・ラヤスのヴァケラス ルージュ 2009

 

エイのロティ 春キャベツ 九条ネギ くるみオイル シェリービネガー

 

生涯で初めて味わったエイ・・・軟骨も細かく刻んで入ってます

 

ボルドー・サンテフ・・・シャトー オー マルビュゼ 2000

 

メインは牛・ラム・鴨から選択・・・こちらは九州薩摩産黒毛和牛

 

黒いソースはマディラ酒と黒トリュフのペリグソース

 

絶妙な火入れで柔らかい赤身肉

 

こちらはフランス産ラム

 

コリアンダーソースで

 

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〆は特製冷麺

 

トロリとした冷たい葛餡のようなスープに、コシの強い麺

 

料理に関しては、どのお皿もビジュアルがキレイで、もちろんどれも絶品、フレンチがベースながら、素材そのものを生かしたあっさりめな料理、フレンチ割烹風のフュージョンで、特に女性には受けそう、ちなみにワインのセレクトも、料理や個人的な好みに合ったものが多くて、ペアリングも満足でした。

 

デザートも3種から・・・パンナコッタとアイスクリーム

 

アップ画像

 

こちらはクレープとキャラメルアイスクリーム

 

お皿も可愛いですね

 

カヌレとカフェラテ&コーヒー

 

外側が堅くて、洋風かりんとうのようなカヌレ・・・これが本場フランス風だそう

 

ちなみにお会計は、個人的な外食歴でもトップクラスのお値段に ・・・でもこうして画像を振り返ると、それなりに良質なワインを結構飲んでいましたし、まぁ妥当な金額、コスパは決して悪くないと思います。

ただこの金額ならば、グランメゾンに訪問した方がいいという方もいると思いますが、全くお店のスタイルが違いますから・・・。

 

ごちそうさまでした・・・一度は覗いてみたかったお店でしたので、今回お邪魔できただけでも満足

 

さて、あらためて個人的な感想ですが・・・料理に関しては文句なし、何気にお代わり自由の焼き立てパンがおいしくて、毎回違う種類のパンを楽しめるのが良かったですし、ワインのセレクトに関しても満足、その一方、店内の雰囲気は、まぁこの辺りのよくある会員制のワインバー、ホスピタリティは普通にカジュアル。

それでも、美食家をも唸らす美味な料理を、料理に合わせた良質なワインと共に楽しめるだけでも、素晴らしいお店だと思いました。

ただし食べログの4.6などという、極度に高い総評点を鵜呑みに、期待し過ぎて訪問すると、ちょっと意外に感じるのも事実・・・やはりこの総評点だと、特に初訪問客は、料理だけでなく雰囲気やホスピタリティなどにも、ある程度スペシャルなものを期待しちゃうんですよね。(^-^;

個人的に、ここは店内の雰囲気やホスピタリティなど気にせず、気楽にシンプルに、美食とワインを楽しむ大人のレストランバー。

訪問された方々のコメントを拝見しても、初訪問客より、常連客の評価が高いという理由もよくわかりましたし、私たちも次に訪問するとしたら、妙な先入観も消え、このお店の本当の素晴らしさを、あらためて実感できる気がしました。