アセムだ!ゼハートだ!
G-バウンサーだ!AGE-2だ!
いやー長くなりそう。
沢山書いたのにアプリから本文消失したから大変でした。主に精神的に。
フリット編から少し時間が経った話。いよいよ待望のAGE-2が大活躍する時!
AGE-1→RX78-2 ガンダム
AGE-2→Zガンダム
AGE-3→ZZガンダム
AGE-4(?)→ニューガンダム?
みたいな情報公開だったはずなんで、アセム編はガンダムがガチャガチャ可変するんだなぁ。作画大変だろうけど楽しみだなぁ、とか思ってました。
いやー、カッコイイですAGE-2。頭部の形状とか4枚羽とか。
フリット編の登場人物がどう関わってくるのかも楽しみで、ワクワクしてました。
そしてアセムという主人公、フリットの息子だけどXラウンダーではないんですね。
だが、そこがいい!
特別な能力は無くても、訓練と経験でエースパイロットになっていくという成長過程!
いいですね、こういうキャラクター大好きです。
応援するぞ、オールドタイプ!
って感じです。
ヴェイガンがコロニーに来た!
さぁアセム、フリットから託されたAGEデバイスを使う時だ!
ガンダムAGE-1 起動!
あれ?
あ、ああ…最初はAGE-1なのか。ずっとアップデートは続けてたからまだまだ戦えるらしく。
でもなぁ…ノーマル換装だし、そんなに見所もないんじゃ…
ビームサーベル二刀流!
カッコイイじゃないか、アセム!!
いやー、スタッフさんグッジョブ!
ここからアセムに対する期待が大きく膨らみました。
さぁさぁ、本編へ。
いろいろ足したら長くなったので上,下に分けました。
すみません、『中』も入りました。
どんだけ好きなんだアセム編。
アセム編
ヴェイガン…
それは、火星移住に失敗し、取り残された人達が作り上げた国家だった。
彼らは地球を『エデン』、楽園と掲げ、いつかその地に立つことを目的として立ち上がったのだった。
ヴェイガンの地球連邦軍やコロニーに対する攻撃は止むことなく、戦いは、未知の生物との生存競争から、人と人の戦争という形になった。
ガンダムに乗るフリット・アスノにとっては『人類』を守って戦うという目的の上で大した違いではなかった。
『ヴェイガン』とは地球圏にのさばる害悪であり、殲滅対象である。
その思いは揺らぐことなく、徹底してヴェイガンを容赦無く攻撃していき、連邦軍内部からも恐れられる程に冷徹であった。
そして彼は敵を倒すだけでなく、地球連邦軍を強くする形でも活躍していく。
自身が地位を上げていくと共に、有能な人材を引き上げ、不正を働く者は証拠を突きつけ、追放。
政治力にも長け、異例の早さで司令官にまで出世し、軍全体を筋肉質な組織に作り上げた。
彼の功績無しに今の連邦軍は語れない程にフリットは活躍。私事においては、エミリーと結婚して二人の子供を授かった。
男にアセム,女にユノアと名付け、アスノ家の人間として育てていた。
時は流れ、アセム・アスノは16歳になり、平和なコロニーで暮らしていた。
優秀な父親の存在を意識しない日はない学校生活は、少し退屈だった。
成績優秀,文武両道は当たり前と評価される毎日、いずれ自分はエリート士官にでもなるのだろうと思っていた。
そんな中でも、部活動であるモビルスーツ部にいる時は、等身大の自分でぶつかり合える友達がいた。
シャーウィー,マシル,ロマリー,転校生のゼハート。
仲間と共に何かを作り上げる時間と、大会で勝利する達成感を得られる時間は、純粋に楽しかった。
このコロニーで過ごす毎日は、自分が近い将来、戦争に身を置くまでのささやかな平和なのだろうと思っていた。
しかし、アセムの誕生日パーティーにヴェイガンが現れたことで、その考えは覆された。
フリットからAGEデバイスを受け継いだアセムはガンダムを駆り、敵を撃退する。
これから戦っていく世界の事を知ったものの、その時はまだ自分の過酷な運命を知る由もなかった。
その後、何度もヴェイガンの襲撃があり、今までの平和な日々は終わってしまった。アセムは、もはやガンダムで戦うことしか、道は残されていないように思うようになっていった。
月日が経ち、アセム達が通う学校の卒業日、襲撃が起こる。
それは『彼ら』の戦いが始まる日でもあった。
ヴェイガンのモビルスーツの一つ、ゼダスに乗っていたのは、自身がライバルと認めた友、ゼハートだった。
「ゼハート…?なんだよそれ…なんでお前がそんなのに乗って…まさか!
お前は、ヴェイガンのスパイだったのか!?」
頭も良く、運動もそつなくこなすと思えば、コロニーの事情に詳しくなかったり、新鮮な野菜を見て驚いたり。
世間知らずな所はあると思っていた。
それは彼がヴェイガンだったからなのか…
「…そうだ。私はある方の命令によってこのコロニーで連邦軍の動き,アスノ家の事,そしてガンダムを調べる為にやってきた」
「そんな…お前がやっていることは戦争なんだ!人が死ぬんだぞ!」
「互いの父が敵同士、こうなるのは避けられないことだ。
我々の存在を、これまでどんな環境で生きてきたかを隠蔽し、自分達は豊かな自然を食い潰している地球連邦軍に、正義などない!」
そこにはアセムの知らないゼハートの闇があった。戦争を起こす程に追い詰められた人間がここにいるということを知る。
「それでも戦争なんて!俺はお前と戦いたくなんか…」
「そのような甘い考えを!くっ…
アセム、お前は戦場に向かない人間だ。
そのガンダムだけでなく、一切のモビルスーツに乗るな。次は…お前を殺さなくてはならない」
「待て、ゼハート!」
アセム・アスノとゼハート・ガレットの戦いの運命の始まり。
その場を目撃したロマリー・ストーン。
彼らの信じた友情は、心に深い傷をもたらす結果になった。
士官学校というエリートの道を進む事を捨て、前線で戦う兵となったアセム。
かつてフリットが『UE』と戦った時に活躍した戦艦ディーヴァに配属。
ガンダムのサポートをした経験から、ロマリーがいたことにも驚いたが、艦長であるミレース・アロイを含め、上官のウルフ・エニアクルなど、父親の事をよく知る人物もいた。
自分はどこまでやれるのだろうか。
検査を受けた際、『Xラウンダー』の適性がない、という事がアセムの心に少しずつ焦りを生じさせていた。
自分に与えられた『ガンダム』の名を受け継ぐ機体。
AGEシステムに蓄積された、これまでのデータをもとに作り上げたAGE-2は進化と呼ぶにふさわしい性能を持っていた。
従来の威力を遥かに凌駕するハイパー・ドッズライフルや、ストライダー・フォーム変形による高速移動。
武装の強化と機動性の向上により、AGE-1の性能を大きく上回るこの機体に、ヴェイガンも簡単には対抗出来ないとされていた。
実際、アセムは初陣でヴェイガンのモビルスーツを、ライフル一発で二体同時に撃破してみせるなど、敵味方問わずにその実力を知らしめた、が。
その優秀なガンダムを完膚なきまでに叩き伏せたのは、ゼハートだった。
広い宇宙空間を、赤い機体が通常では考えられない程の速さと軌道で駆け巡り、アセムを追い詰めていく。
「くっ…あれにはゼハートが乗っているんだ。負けられるか!」
「そのような腕と覚悟で、私を倒せるとでも思ったか、アセム!
褒められるのは、私の回線に強制介入したAGEシステムの性能ぐらいか!」
パイロットの技量だけではなく、戦いの覚悟においても二人の差は歴然だった。
「どうした!私を止めてみろ、ガンダム!このゼイドラを倒せない限り、連邦軍に勝利は無いぞ!」
ゼハートは自分に嫌気がさした。
我ながらよくしゃべるものだ。しかし、そうでもしなければ戦えない程に自分はまだ弱い。
「くそっ!当たらない、回り込めない!ストライダーでも追いつけないなんて!!」
フェイントを混ぜながら、岩礁地帯を縫うように移動するゼハートと、直線的に相手を追うアセム。どちらの動きが捉えやすいかは明白だった。
「機体性能に頼り過ぎだな!」
「くそっ、くそっ!!」
劣勢を強いられたまま、ガンダムは撃墜寸前に追い込まれた。
コックピットを貫くサーベルが目の前に迫ったが、ゼハートはそこで動きを止める。
「お前は、無意識に撃つことをためらっているな。相手が私だからか。
…アセム、戦場から去れと言ったはずだ。お前は戦うには優し過ぎる…それでは生き残ることなど出来はしない」
「ゼハート!俺は、お前に勝たないと… 」
みんなに胸を張れない、父さんに認められない、ロマリーの心を引き寄せる事が出来ない!
「その機体に見合う実力も無いのにか!甘えた考えでいるならば、この先を戦い抜くことなど不可能だ。次はないぞ、アセム!」
去っていくゼハートの機体。うつむくアセムには、その後ろ姿を見ることが出来なかった。
「目の前の敵を逃がすなど…甘いのは私の方か。
この仮面をした時から、情けなど捨てたと思っていたが…」
ディーヴァに帰還し、自らの力不足を思い知らされたウルフ隊の新兵たち。
生き残ったことに安堵したのも束の間、地獄の訓練によって船の床を這うことになる。
始まったのは「ヴェイガンよりも恐ろしい」と、連邦軍でも評されるウルフ・エニアクルによる強化訓練である。
「もう一回だ!俺を撃墜出来なきゃ今日の訓練は終わらないからな」
「も…もう無理です。これ以上は死んでしまいます…」
シミュレーションとはいえ、身体への負荷はある。
やっていることは訓練だが、実際のところ戦場にいる方が楽ではないかと思える程に過酷を極めた。
「情けねぇ!機体性能も数の優位性もくれてやってるのに俺から一本取れねぇのか!
いいか!お前らの服!食糧!無様に乗るモビルスーツのパーツや推進剤!
全部全部お前らが勝つ前提で支給されてんだろうが!!
あっさり撃ち落とされるようなやつは必要ねぇ!腕を切られても、脚を吹っ飛ばされても、敵の喉元に噛みついて喰いちぎるぐらいの必死さを見せてみろ!
さぁ次だ!クリアすりゃあ、晴れて熱いシャワーと綺麗なベッドが待ってるぞ!出来たらな!!」
その後、何度目だったか覚えていないが、ウルフに決定打を与えたアセム達は、ようやく解放された。
「ちくしょう…なにが『動物的カンでかわせ!撃て!』だよ…反則だろあの人のスペック…」
「しごき殺されるところだった…Xラウンダー相手でも互角に戦えるっていうのも分かる強さだよ…」
「ヴェイガンの方がまだかわいい気がしてきた…でもさっきブチかましてやった連携、この先使えるかもね」
生き残る為に訓練に打ち込んだ。それは確かな実力となって、後の彼らを支えることになる。
「訓練データ見たぞ、ちょっとやり過ぎじゃないか、『教官』殿?」
「ラーガン、あれぐらいやらねぇとっていうのは分かるだろ。
あの赤いヤツ、機体性能も乗ってる人間も化物だ。このままじゃ、次の戦いで仲良く全滅だからな」
「まぁ、ほどほどにしとけよ。…アセムをどう思う?」
「センスはいい。何があったか詳しくは知らねぇが、帰ってきてからのあいつは操縦にも知識にも貪欲だ。もうそこらのパイロットじゃ、太刀打ち出来ないだろう」
「戦闘における空間把握と火器管制能力は目を見張るな。フリットより優れてるんじゃないか?本人はXラウンダーじゃないことを気にしているようだが…」
「あいつは化けるぜ。超能力なんざ無くたって真っ向勝負出来るぐらいの力はある。それに、なんたってこの俺が鍛えてやってんだからな」
「…そういうのはアセム本人に言ってやれよ。励みになるんじゃないのか?」
「チッ、そういうタチじゃねーのはお前も知ってるだろ。」
「はは、まぁな」
命令無視、上官への暴力を数えられない程繰り返してきたこの男は。
最前線で戦い続けて、今もこうして部隊の命を守り続けている。
「お前は本当にかっこいい男だな…」
「あ?なんつった?」
「なんでもないよ。次の作戦、生き残れよ」
「ハハッ!お前、誰に言ってるんだよ!」
そうだな、と軽く言って話を締めくくる。
今度、酒でも差し入れてやるかな。戦争なんていいものじゃないが、たまには昔話に花を咲かせるのも悪くない。
アセムは訓練が終わった後も、ガンダムのメンテナンスを続けていた。
強くなる為には、今とは違う武器が必要だ。でも、それを使いこなすことは果たして…
着実に力を付けていたが、彼の心はざわついていた。
まだ、どこかでゼハートを撃つことをためらっている。こんな状態で本当に戦えるのか?
悩みを抱えたまま、ディーヴァの進路は、とあるコロニーに向かう。そこでアセムは父と衝突する。
「どういうことですか、アセム司令!?
このコロニーが連邦軍の敵だって!?」
「声を荒げるな。正確には『ヴェイガンに援助をしている』ということだ」
「でも、それは決まったわけじゃ…」
「100%だ。状況証拠も揃っている。そしてこれから横流しした武器とデータもあがるだろう」
「それで、対応はどうするつもりなん…ッ!!」
アセムは声が出なかった。
フリットの目は、それだけで人を殺せる程の気を帯びていたからだ。
「決まっている…ヴェイガンは残らず殲滅、奴らに関わった者も犯罪者として裁く。例外は無い」
「そ、そんなこと!やむを得ない事情とかがあるかもしれないじゃないか、父さん!」
フリットはたまらず、ため息をついた。
いつの間に司令官と伍長から父と子の言い争いになってしまったのか。
「アセム…お前はまだ、奴らがどれだけ愚かで許しがたい存在なのか、分かっていないのか?」
「俺は…俺は父さんのようには出来ない!」
街中へ飛び出すアセム。その背中はとても小さく見えた。
「………まだ子供、か」
アセムは飛び出した後、当てもなく市街地を歩いていた。
この平和なコロニーにヴェイガンが潜んでいるだって?それはあるかもしれない。でも、裏で連邦軍が繋がっているなんて、バカな…
「父さんは俺にどうしろっていうんだ…」
少しは自分を認めてくれているんじゃないかって思ってた。自分は『期待してる』とでも言ってほしかったのか?
分からない感情が頭の中をグルグル回る。しかしその思考は、目の前の光景によって遮断される。
「あの後ろ姿は!」
人里離れた湖で定時連絡を行う。
ここまでの動きは順調だった。
ヴェイガンの隠れ蓑として、次の作戦への港として、このコロニーは十分に役目を果たした。もうすぐフリット・アスノがここを摘発するはず。潮時だ。
「脱出はくれぐれも慎重にな。ああ、私も別ルートですぐに…」
「ゼハート!!」
「なっ!?」
「見つけた!会いたかった!何も説明してくれないままなんて!」
「ロマリー、なぜ君が…」
完全に虚を突かれた。まさか彼女に会うとは思ってもみなかった。
「私、今はディーヴァのオペレーターだから…」
「そうか…ならば近い内にまた戦場で会うことになるだろう」
「………アセムとも戦うの?」
「そう、だ」
何を迷っている?なぜ心がざわつく?もう決めたのだ、私は。
ヴェイガンの行く道を開くと。
「ゼハート!」
「アセム!」
自分に銃を構えるアセム。だが、その瞳は戦士のものではない。
まだ友情を信じている。なぜここまで愚かなのか、優しすぎるのか…
「このコロニーで何を…って、ロマリー?お前たち、二人で一体…」
「誤解しないでアセム!私はあなたを探して、それでたまたま!」
「俺だけじゃなく、ロマリーまで!もう許さないぞ、ゼハート!!」
敵意をあらわにするアセム。今すぐここで戦いが始まりかねない空気だ。
そうだ、それでこそ私も…
「ここは大人しく退こう、戦場で決着を付けるぞ!」
湖から現れる赤い機体。アセムは嫌が応にも、フリットの意見が正しい事を思い知らされた。
「アセム!今、ディーヴァから連絡が!
コロニーに潜んでいたヴェイガンが現れたって!」
ロマリーが現状を報せる一方で、アセムの頭の中は混乱していた。
本当に戦えるのか、自分は?
「ガンダムもここまで遠隔操縦で向かわせてる、って…アセム?」
「ロマリー、いいのか?俺がゼハートを撃つかもしれない…お前が好きなのは…その…」
数秒の沈黙の間、アセムが考えてるであろうことを理解したロマリーは、哀しみと怒りが込み上がるのを抑えられなかった。
アセムの襟を掴み、叫ぶ。
「しっかりしなさい、アセム・アスノ!
あなたはアセム家の男で、ガンダムのパイロットで、私とゼハートのかけがえのない友達でしょう!?
ウジウジ悩んでないで、ゼハートを連れ戻したいなら、戦って、勝って、やってみせてよ!!
そんなアセムなんか!わたしは…わたし…は…」
ロマリーの目尻に涙が浮かび、アセムは気付く。自分は好きな女を泣かせることを言ったんだと。
ガンダムが到着する。
「ごめん…」
自分の手から色々なものがこぼれ落ちていく。自分の心はこんなにも弱いんだと痛感した。
ロマリーはうつむいている。せめて、涙だけは流さないよう耐えていた。
アセムにもゼハートにも死んでほしくない。二人だって、互いの事を撃ちたくないのは、顔を見れば明らかだった。なのに…
なぜ、男というのはここまで馬鹿なのだろう。
私には、わからない…
でも私は、ただ見てるだけの女じゃない。
アセムが機体に乗り込もうとしたその時。
「アセム、乗せて!サポートするわ」
「ロマリー!?」
無言で視線を交わす二人。折れたのはアセムの方だった。
彼女は、何を言ってもしがみついてきそうだ。
「わかった、戦闘補助とディーヴァへの通信は任せる。AGE-2、出るぞ!」
コロニーの外では、ヴェイガンの戦艦が離脱を開始している。出口付近では多くのモビルスーツが張り付いていた。
敵と繋がっていた連邦軍に期待出来るはずもなく、ディーヴァの部隊は苦戦を強いられていた。
アセムの到着後も戦いが思うように進まない。
機体性能はこちらが上だが、的確に動きを捉えきれない。
敵にはもう帰る場所は無い。死ぬ気でここを防衛しているのだ。その気迫と、撃墜を恐れない戦い方は恐ろしいものだった。
「アセム、この大型の機体をなんとかしないと!」
「わかってる!けどっ!そう簡単には!」
敵は時間稼ぎをした上で、これ以上戦えないとなると、自爆覚悟で突撃してくる。
爆発しない形で敵を行動不能にするのは難しい。
「もう少しなんだ、あと何回かであいつを…」
「そこを動くなアセム」
その声に気付いた時には、目の前の敵が一筋の光に貫かれていた。
「この識別は、ガンダムAGE-1…父さんなのか?」
「敵機は完全に沈黙。爆発の心配も無いみたい。
発射位置は…なにこれ…うそ…でしょう?」
驚愕するロマリーの声。アセムもその事実を知って絶句する。
狙撃専用機でもかろうじて、という距離から正確に敵を射抜いた。
あの機体にはAGEシステムはもう積まれていない。つまり、可能にしたのはパイロットの技量によるものが大きい。
「どう…やって…」
知っているはずだった。わかっているつもりだった。
だけど、改めて思い知らされる。
自分の父は、フリット・アスノは、もう届くとか追いつくとかの次元にいる人間ではない。
「お前がもっと早く奴を片付けていれば、私が出ることもなかったのだがな」
通信が切れる。
一番認めてほしかった父からの言葉は、冷たく突き刺さった。
ガンダムのビームライフルは、最大出力を通り越した結果、銃口が焼け溶けている。
フリットは機体を降り、ヘルメットを脱ぐ。そこに映る自分は苛立ちを隠しきれていない。
あの歳の自分の実力ならば、もっと迅速に敵を鎮圧していた。迷いのある息子を見ていて、もどかしくなる。
だが彼はフリット・アスノではない。
自分と同じものを求めてどうするのだ。
「………子供は私の方か」
アセムが傷付いた心を癒す間もなく、次の作戦が始まる。
ここまで出来る限りの調整はした。換装パーツも用意してある。だが不安は残る。
アセムはつぶやく。
「俺は、お前を使いこなせているのかな…」
機体は何も応えてくれない。
だが、ガンダムに乗る以上は仲間を死なせない。
その思いが今のアセムを支えている。
彼はこの戦いで大きく成長する。
そして失うものもまた大きい。

