小学2年生の大問題児を育てています。
息子がデブだと揶揄われてから2週間が過ぎた頃、学校から電話が鳴りました。
まぁ、問題児を育てる家というもの、学校からの電話はしょっちゅう鳴ります。
だから、この2週間の間に、他にもお電話はあったんですけど。
女の子をデブと罵った息子
今回の先生からのお電話の内容は、女の子にデブと言って傷つけた、と言うものでした。
その女の子、とてもとても傷ついてしまったそうです。
そりゃそうでしょう。
私も小学生の頃、男の子にデブ、ブス、マウンテンゴリラと言われとても傷ついたのを今でも覚えています。
その子がどんなに傷ついただろうと想像すると、胸が痛みました。
その子は本当に傷ついていて、もう息子の顔を見るのも嫌なので息子本人には謝ってもらう必要はない。
先生など大人で解決して欲しい。
との、申し出があったそうです。
そして次の日は学校を休まれてたと聞きました。
可哀想…
自分の息子がしでかした事ですが、相手の女の子が可哀想で、気持ちを思うと悲しくてたまりませんでした。
謝罪のお電話
その日、私は先生からご連絡先を伺い、女の子のお母様に謝罪のお電話をかけました。
学校一の問題児を育てているのです。
謝罪のお電話をかけさせて頂いた事は数知れず。
おそらく、子供の謝罪業界と言うものがあるならば、私はもはやベテラン層になってしまうかもしれない勢いです。
でも、慣れる事はありません。
毎回息子がしでかしたことが心から申し訳なくて、謝る事しか出来ないのも申し訳なくて、私が心から謝っていても、息子の事なので絶対に再発が無いと断言出来ないのも申し訳なくて、全てが申し訳なさ過ぎて泣きそうになります。
もちろん泣きたいのは息子に被害を受けられた方なので、私は泣いてはいけません。
必死で涙をこらえてお電話をするのですが、いつも上手に謝れた気がしません。
お電話で、息子だけでなく私もお相手に失礼があったのではないかと不安になります。
今回お電話させて頂いた女の子のお母さま、一度お会いした事がありました。
息子は普通級+通級に通っているのですが、その女の子も別の曜日に通級に通ってらっしゃるようなのです。
その保護者会の時に同じグループになりました。
保護者会の最後の時間に
【今日同じグループだった方のステキなところを紙に書いて渡し合う】
という時間がありました。
その時に、そのお母さまが私のステキなところを紙いっぱいにたくさん書いて渡して下さったのです。
初対面なのに、かつ、対して褒められたところの無さそうな私なのに。
とても優しく、お話しやすく、素敵な方でした。
call音が鳴り、お電話に出られたお母さま。
以前、保護者会でお話した時と声の様子が全く違いました。
もちろん、大切なお嬢様を傷つけてしまった息子やその親に対する憤りもあるのでしょう。
けれどお電話から感じる声は、憤りというよりも、深く深く傷ついてしまった娘さんと共に、お母さま自身も深く深く傷つかれたのが伝わる悲しみでした。
謝るしか出来ない私は、とにかくひたすら謝りました。
そして最後にお母さま、悲しみにくれた声で一言
とおっしゃいました。
本当は言いたい事がたくさんあるでしょうに、それをグッと堪えておっしゃって下さったのでしょう。
よろしくお願いはしたくない
これからもよろしくお願い致します。
同級生の親同士なんかで、よく使われると思います。
でも、謝罪をした際にこれを言う方、実は多くないです。
それもそのはず。当然です。
迷惑を被った側からして、これからもよろしくお願いはしたくないからです。
むしろ本当は、もう二度と我が家と関わらないで下さい。と言いたいところでしょう。
その言葉を我慢してらして、さらにお願いしたくないのに、お願いします、なんて言わなくて当然なのです。
本当に全く言わなくて当然と思っています。
だから逆に、そう言葉を振り絞って下さった、女の子のお母さまのお人柄を感じて、胸が痛くなりました。
私は普段、謝罪のお電話をさせて頂いた時に、こちらからも「これからもよろしくお願いします」は言いません。
相手の方は当然「よろしくお願いしたくない」と思っていると考えているので、私にこれを言われるとすごく嫌だと思うからです。
私がこう言ってしまうと、ほとんどの方は大人ですから「こちらこそよろしくお願いします。」と答えざるを得なくなるでしょう。
絶対言った後にモヤモヤが残ると思うのです。
なので、ご迷惑をかけた上に、謝罪の場でまでお相手に負担をかけてはいけないとの考えからです。
デブの輪廻
先生はこの報告が上がってきた際、「これは悪い循環が出来ている」と感じたそうです。
私は普段、息子が誰かに何かをされても学校側にご報告をする事はありません。
日頃の行いを見ていて、全て自業自得と思うからです。
ただ、先生が息子の行動を分析する上で必要だと感じる出来事については、相手のお名前は伏せた上でお話する事があります。
先日R1くんにデブデブ言われていたお話も、息子の授業態度に関係していそうなお話だったので、出来事だけはお話していました。
先生もそれを思い出し、デブが回っていることを考えたようです。
そして息子に確認して下さいました
先生
ちょっと前にデブってたくさん言われて悲しい思いをしたって聞いたけど、それで言っちゃったの?
自分の悪事をいつも包み隠さず報告する、と言う特技を持っている息子です。
返事はかなりあっけなかったそう
いや、あれ言われる前に既にデブって言ったよ。言われたのとか関係ない。
とは言え、悪い循環には変わらないので個人指導だけではなく、全体指導をします。
と先生からご報告頂きました。
「デブ」はどれだけ傷つくか
もちろん、息子がこうゆう問題を起こした時、学校でもご指導頂きますし、私も家でかなり話し合います。
その中で息子の一言
デブってそこまで傷つく?確かに嬉しくはないよ。でも、学校来れなくなるほど傷つく話じゃないじゃん。
息子的にはその子に意地悪をしまくったとか、暴力をふるったとかでもないのに、ただ「デブ」と言っただけで大問題になった事が意味が分からないようでした。
そう、こうゆうところです。
この記事の中で、息子においては
「自分がされて嫌な事は相手にもしてはいけない」は通用しない
という事を書きましたが、こうゆうところ。
息子基準では、デブは言われて嬉しくはないけれど、そこまで傷つきまくる言葉ではないのです。
だから、「自分がされて嫌な事は相手にもしてはいけない」を息子に説きまくると、自分が言われて平気なんだから相手も平気という発想になります。
実際に私(母)は子供の頃にデブと言われてすごく傷ついた話、男の子より女の子の方が太っている事にセンシティブな話など、人によって傷つく言葉は違う話などをして、息子が納得できる地点を探しました。
息子自身は前回の記事で書いたように、デブと言われて良かったと思っています。
ダイエットをするきっかけを頂いた上に、本人はそこまで気にしてませんから。
私は今でもデブと言われるのは嬉しくはありません。
因みに私は一般的には太っていませんが、時々娘に言われています。
この話にオチはない
一つ話を書き始めたら、最後はちゃんとまとめたいところですが、この話にはオチもまとめも無い事が決定しました。
これを書いている今現在、息子がまた問題を起こしたからです
私はまた謝罪の荒波に漕ぎ出さなくてはならず、この話からココロがはるか遠くに飛ばされたのです。
この問題に関しては、またの機会に書けたら書きます。