人と動物と環境 | 獣医専門予備校VET公式ブログ

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今回は「人が動物や環境に与える影響」について考えていきましょう

これも獣医学部入試ではよく取り上げられているテーマの1つですね

「科学技術への盲信」

 1950年代,カビから作られたペニシリンは,人類を感染症(infectious disease)から守ってくれる奇跡の薬と信じられていました。農薬は,農業生産を著しく拡大し,マラリアの激減にもつながりました。50年代には,科学技術が人類を宿年の呪縛(age-old bonds)から永久に解放してくれると期待されていたのです。

「『沈黙の春』の衝撃」

 ところが,1962年にレイチェル・カーソンが『沈黙の春』(Silent Spring)を著すと,様相が一変しました。この本の中に,春の訪れを告げていたコマドリ(robin)が突然姿を消してしまった,どうしたことでしょう,という主婦の驚愕の声が紹介されています。その原因は,コマドリが営巣するニレの木についた害虫を殺すために散布したDDTという殺虫剤(pesticide)にありました。殺虫剤が土壌に染み込み,ミミズ(earthworm)の体内に入って蓄積され,そしてそれをコマドリが食べて,死んでしまうのです。あるいは,親鳥の卵巣(ovary)や精巣(testis)がDDTに汚染されて,子供を産むことができなくなります。つまり,ニレの木→害虫→殺虫剤の散布→コマドリの死,という連鎖が明らかになったのです。農薬の散布によって,標的となった害虫が死ぬだけでなく,食物連鎖(food chain)によって他の生物も間接的に影響を受け,死に至ることもある。自然に向けた刃は結局は人間自身にもはねかえってくる。この事実がアメリカの市民を驚かせ,科学への盲信が終わりを告げました。




「生態系」

生態系とは,ある地域のすべての生物からなる共同社会(community)のことを指し,生物がどのような相互関係を行い,生物間のエネルギーの流れがどうなっているかに注目する学問です。たとえば,「イネ→バッタ→カエル→マス→人間」という食物連鎖は,生態系のエネルギーの流れを示すものです。この例からわかるように,人間は食物連鎖の最高位にいますが,これは人間が下位の生物の変化を免れることはできないことも意味します。また,生態系はときに比喩的に「生命のクモの巣〔綱〕」(a web of life)と呼ばれることがありますが,このクモの巣の全貌を知ることは難しく,人間にとっての害虫を殺虫剤を使って殺したものの,実はその害虫は生態系においてきわめて重要な役割を果たしていた,といったことも起こるわけです。

「人間中心主義」

 カーソンは,益虫・害虫といった区別に見られる人間中心主義(anthropocentrism)を厳しく批判しました。『沈黙の春』を著す前に,カーソンは海に関する本を3冊出版し,その中で,海の中では「何者も自分だけのために生きてはいない(nothing lives to itself)」というメッセージを伝えています。それは陸上でも同じです。ですから,彼女はDDTの乱用と自然の破壊を目にし,自らは乳ガン(breast cancer)と闘いながら『沈黙の春』を著し,農薬の適切でより安全な使用を強く促し,世に警鐘を乱打したのです。結果は,化学会社の一部の科学者から,非科学的だ,感情的だ,果ては共産主義者(communist)だと猛烈なバッシングを受けますが,当時のケネディ大統領が事態を憂慮し,科学者からなる特別委員会を設け,調査させました。その結果,カーソンの主張が正しいことが認められたのです。これには,彼女の詩人の才と正確なデータに基づく科学者としての真摯な態度が大いに貢献しています。

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