体調を崩した。
遡ること一月前。まだ6月末だと言うのに、酷暑36度。そんな中、休憩なしで2時間以上に渡る声掛けと即興漫才を繰り返した。その後夜から、打ち合わせ含めて4時間に渡る配信。
当日は大丈夫だった。異変が現れたのは2日程経ってから。身体が怠くなり熱が上がった。37.4度。打ち合わせなどの仕事をキャンセルし、とにかく休んだ。
幸いなことに熱はすぐに下がり、その後3日程ゆっくりした。体調も良かったので、次の週のストリートライブに立った。
今回は休憩を入れつつ2時間。お客様からの熱中症対策の差し入れのおかげもあり、やり切れた。その後、帰宅して夜から二部制の配信。
日曜日から2日経っても異変はなかった。今回は対策もしたし、大丈夫だ。しかし、何だか疲れが抜けないな。40代だし回復が遅いな。そんな程度だった。
しかし、事態は急変する。週末の夕方、後頭部がズキズキしていること、身体が熱くなっているのを感じる。ボーッとする感覚。これは熱があるなと測ってみてびっくり
38.7度
ここまでとは思わなかった。奥さんが発熱外来を調べてくれ、電話する。病院に行き、抗原検査、PCR検査の両方を。
結果、抗原検査、PCR共に以上無し。
後頭部のズキズキが心配なので、近くの大きな病院に紹介状を書いてもらい移動。高熱なので、10分位の移動でもめちゃくちゃしんどい。しかも夕方とはいえ真夏だ。しかし、汗が全然出ていないことに気づく。
これは何か変だ。不安を抱えながらふたつ目の病院へ到着。熱を測ると
39度
すぐ様、血液や血圧など様々な検査が始まる。結果が出るまで隔離室に。寒気がすごい。毛布をいただく。
結果がでる。数字的に異常は見つからず。しかし、こちらでも後頭部の痛みと熱が下がらないことが気になるとのこと。防護服に身を包んだ先生がポツリと口にする
「もしかしたら【髄膜炎】の可能性があるかもな…」
それを調べるシステムがこの病院にはないので、更に大きな病院に転院することに。この病院選びが難航する。
現在のBA.5の情報はまだ一般的ではなかった時期だったが、コロナ禍がまた少し騒がしさを帯びてきた時期。病床数が足りてないところが多く、そのまま入院になった際に受け入れが出来ないとの理由で断られた。
そんな中、待つこと5時間。先生が入ってきた。
「転院先が見つかりました。」
「…あぁ、よかった。ありがとうございます。」
振り絞るようにお礼を言う僕。そんな僕をジッと見つめながら、少し困ったような顔で先生はこう言った。
「…ただ、条件があります。」
つづく