「紅茶に70％以上のダークチョコレートを入れて飲むと心臓にいい」と循環器の先生が話していたと飼い主さんから聞いた。
ワンちゃんや猫ちゃんはチョコレートを何度も食べると確かに“チョコレート中毒”となる可能性があるが、ヒトではチョコレートを食べるとむしろ心臓や血管によいかもしれないとか･･･
気になって調べてみると、医学的にもチョコレートの効果を裏付ける研究結果が世界各国の研究者によって報告されており、何だかいけそうな気がする。
①ビターチョコレートを食べた妊婦は妊娠中毒症のリスクが69％も低かった。(Triche EW et al,2008)
②1日にダークチョコレート10g（4.2ｇ/日のカカオ）を長期的に食べ続けると、血圧が低下し、心血管死リスクが減少する。(Brian Buijsse et al,2006)
③ブラックチョコレートに大量に含まれるフラボノイドが血液の流れをサポートするため、ブラックチョコレートやココアを食べると心臓血管などの疾患を防ぐ可能性が高くなる。（米エール大学チーム 米国心臓病学会）
④チョコレートをたくさん食べるスイス人は胃がん死亡者が少ない。（「チョコレートの凄い効能」板倉弘重著 かんき出版）
⑤タバコを吸う人は一般的に血液中のNO（一酸化窒素）が少ないと言われている。チョコレートに含まれフラバノールによって、血液中のNO（一酸化窒素）が増える。
⑥タバコを吸う人に40gのブラックチョコレート（カカオ74％）を食べさせたところ、心臓病のリスクを高めることにつながる血管（動脈内皮細胞）の機能が改善し、血小板凝集能が低下した。(Hermann F et al,2006.)
これらのデータは真実か？それともm＆m’sを売るためのマーズ社の陰謀だろうか？ あるいはゴディバの戦略か？
国民生活センターから、高カカオチョコレートの過剰摂取への注意を呼びかけるデータも発表されているが、日本チョコレート・ココア協会の推奨は「健康な成人が食べてもよい高カカオチョコレートは１日30ｇ以内」だとか。
バレンタインデーは、元おニャン子クラブ会員ナンバー8番 国生さゆりの「バレンタイン・キッス」を聞きながら「紅茶にダークチョコレート」、あると思います。
＜関連サイト＞
「恋愛ホルモン」を科学せよ！
＜参考文献＞
Triche EW, Grosso LM, Belanger K, Darefsky AS, Benowitz NL, Bracken MB. 2008Chocolate consumption in pregnancy and reduced likelihood of preeclampsia. Epidemiology. May;19(3):459-64.
Hermann F, Spieker LE, Ruschitzka F, Sudano I, Hermann M, Binggeli C, Lüscher TF, Riesen W, Noll G, Corti R. 2006. Dark chocolate improves endothelial and platelet function.Heart. Jan;92(1):119-20.
Buijsse, B. Archives of Internal Medicine, Feb. 27, 2006; vol 166: pp 411-417.