【遺伝病】 ウェルシュ・コーギー・ペンブロークでは、変性性脊髄症DMについて#コーギー#DM | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼い主さんから、

「後ろ脚の踏ん張りが悪くなってきたので、DMかな」と尋ねられました。

 

【DM】とは

 

変性性脊髄症(Degenerative Myelopathy:DM)で、遺伝病です。

 

【DMの症状】

シニアといわれる7歳頃に後ろ足の麻痺から症状がはじます。

3、4年をかけて進行し、最終的には呼吸器にまで麻痺が及んで死に至ります。

 

 

【DMになる遺伝子】

DMを引き起こす遺伝子変異(の少なくとも一部)は明らかとなっています。そのため、血液検査で愛犬のコーギーが、その遺伝子を持っているか調べることができます。

 

 

【なぜ、犬に遺伝病が多いのか?】

 

新しい犬種をつくるために、交配(ブリーディング)してきました。

いわゆる近親交配に近いことを繰り返して、ようやく品種を生み出すことができるのです。そのため犬や猫の場合、他の生物と比べて非常に血が濃くなっていると同時に、病気の遺伝子(=遺伝病)も色濃く受け継いでしまっています。

 

 

遺伝病は、発症すると治療法がありません。

DMも治療法がないので、飼い主さんとそれについて話し合っています。

ひょっとしたら、再生医療は効果があるかもしれません。