【がん】家庭でブリーダーされた犬の方が、免疫力が強い場合も #がん#免疫力 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

私たちは、がんの治療に多く取り組んでいます。

様々ながん治療法が存在すると考えていますが、私たちの治療は、個々の患者の免疫力に頼って治療を行うものです。

 

同じ飼い主の方で、2匹の犬ががんになった経験がありました。

同じようにがん治療を行っていますが、免疫力が適切に働かない場合は、治療効果が得られにくいこともあります。

 

そのため、考えられることは、大規模なブリーダーではなく、家庭で飼われていた犬の方が免疫力が強いのかもしれないということです。

 

動物愛護法により、犬を販売する場合は第1種動物取扱業者の登録が必要です。登録をしていない方が、愛犬が生まれたために子犬を販売することはできません。

そのため、現在の世の中では、多くの犬が大規模なブリーダーによって飼育されていることが一般的です。

これにより、繁殖施設には多くの子犬が存在することになります。

 

ブリーダーにとって、子犬は生計の一部であり、命を危険にさらすことはできません。そのため、早めにワクチン接種を行うことがあります。

 

生後2カ月に満たない時にワクチン接種を行ってしまうと、免疫力の弱い子犬が多くなるのです。

母体免疫が切れ始める生後2カ月を過ぎてワクチンを接種した子犬の方が、免疫力が強い子が多いです。

 

【飼い主さんのできること】

ペットショップやブリーダーから迎えた子犬の初回ワクチン接種の時期を把握することは重要です。

もし早めにワクチン接種が行われている場合、7歳に満たない時にがんになる子犬もいるかもしれません。

免疫力を正常に保つために、βグルカンなどのサプリメントを与えることは有益ですね。