【再生医療】ステージの進んだ慢性腎不全(CKD)に再生医療を使った症例1#再生医療#慢性腎不全 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

私たちの動物病院では、再生医療のひとつである幹細胞培養上清液を治療に使用しています。

 

幹細胞培養上清液は、幹細胞から分泌される成分を含んだ培養液のことで、治療効果があるとされる病気や症状がいくつか報告されています(全ての子に反応があるわけではないです)。

 

慢性腎臓病と診断された場合、まずIRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)が推奨している"IRIS腎臓病ステージング"によるステージ分類を行うことによって治療の

この分類には、血液検査や尿検査などを参考にします。

 

・CRE(クレアチニン)

・SDMAの値

・尿の状態

 

 

今回、ご紹介する猫さまは、ステージが進んで4になっていました。

これ以上なにもできないと他院で言われて、QOLが少し改善されたらいいので、ということで幹細胞培養上清液の治療をしています。

 

●治療

・皮下点滴

・内服薬

・あまり食べないので、食事療法がしにくい

・丸山ワクチン

 

上記のことをして、幹細胞培養上清液の治療をしています。

 

現時点では、そんなに慢性腎不全(CKD)は進んでいないようです。