がん 扁平上皮がんの猫さまが食事をうまく食べた症例1 #カリウム#扁平上皮がん | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

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↑眼窩 鼻腔内リンパ腫が寛解して4年以上経っているいちごちゃん

 

私たちの動物病院は、がんの治療を多くしています。

猫さまは、食事療法が難しいです。

反対に食事療法がスムーズに行く子は治療効果があがります。

今日、ご紹介する子は、口の中に扁平上皮がんがありそのうえ、慢性腎不全なので食事を変更するのが難しい子でした。

 

そうすると、体がなかなかアルカリ性にならないのです。

 

●食事療法がうまくいった猫さま

 

血液検査をすると、カリウムの値が正常範囲でしたが、低値でした。

人間のゲルソン療法というものがあり、それはざっくりと説明すると、低ナトリウムで、高カリウムです。

猫さまは、味つけはしないので、ナトウムはあまり関係がないですが、カリウムが低い子が多いのです。

 

ニンジンジュースの汁をキャットフードに混ぜてもらいました。

その猫さまは、適当に柔らかくなったキャットフードを食べてくれるようになりました。

ニンジンには、βカロチンが含まれていますが、それをビタミンAには猫さまは、変えることはできないのですが、カリウムを取ることができます。

 

このようなことで、この扁平上皮がんの猫さまは体調がよくなり、よだれや血が口からあまり出なくなりました。

 

私たちは、がんは炎症反応だと思っているので、食事を変えてもらうのは基本だと思っています。