■がん 抗がん剤で骨髄抑制が起きて貧血に どの血液検査をすればいい? #網状赤血球 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

がんのもふもふちゃんは、多くは抗がん剤を使います。

将来、抗がん剤を使わないでも免疫誘導の治療だけでがんが寛解するかもしれませんが、まだ、難しいですね。

 

私たちの病院でも光免疫療法として、少量の抗がん剤を使っています。

がん細胞が寛解しても骨髄抑制があるよくないので、私たちの病院では貧血していないか?骨髄抑制が行っていないか?を注意深く調べています。

そのひとつが、網状赤血球の数を調べています。

 

●網状赤血球とは?

・血液検査で網赤血球数を調べることは、骨髄での赤血球造血能を間接的に把握することができます。

・本当は、赤芽球を調べるといいのですが、そうすると骨髄監査になるので、なかなか難しい。

・網状赤血球は成熟赤血球になる1段階前の幼若な赤血球

・網状赤血球が成熟赤血球になるには、末梢血で24~48時間かかります。

 

 

・骨髄抑制は、抗がん剤(化学療法)や分子標的薬、放射線によるがん治療に伴う副作用のひとつです。骨髄抑制が起こっていないか検査しましょうね。

 

●飼い主さんのできること

・抗がん剤(化学療法)や分子標的薬、放射線によるがん治療をしているもふもふちゃんは骨髄抑制に注意

 ・貧血の検査(Htやヘモグロビン値など)

 ・貧血のある子は、網状赤血球を調べる

 

抗がん剤(化学療法)や分子標的薬、放射線によるがん治療を行うと骨髄抑制があることを知っておいてくださいね。