■がん ALPはがんの骨転移につかえるの? #骨肉腫 #ALP | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

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ヒトは、がんマーカがたくさんあって便利ですが、もふもふちゃんは、ほとんどないのですが、一般的には、肝臓の値を知るためにALPを測定しますが、このALPが、骨転移しているか見るのに、使えるのです。

 

●ALPとは

 

*ALPはリン酸化合物を分解する酵素

*肝臓や腎臓、腸粘膜、骨などで作られ、肝臓で処理されて胆汁中に

*胆石や胆道炎、胆道がんなどで胆道がふさがれて胆汁の流れが悪くなったり(胆汁うっ滞)、肝臓の機能が低下すると、胆汁中のALPは逆流して血液中に流れ込みます。

*ALP値は、胆汁うっ滞では大きく上昇

 

 

●ALPが、高値をしめすとアイソザイムする

 

ALPアイソザイムの中のALP3分画は骨型ALPすなわちBAPと呼ばれ、主に骨代謝のマーカー

 

ちょっと難しいですが、ALPが高値だとアイソザイムということができて、どこから出ているALPが高いか分析できるのです。

 

ヒトのデーターですが、もふもふちゃんもほぼ同じなので。

 

・ALP1の出現:閉塞性黄疸、肝膿瘍、転移性肝癌、胆道結石症
・ALP2の増加:急性肝炎、慢性肝炎、肝内胆汁うっ滞
・ALP3の増加:骨粗鬆症、悪性腫瘍骨転移、クル病、骨軟化症
・ALP4の出現:妊娠後期、悪性腫瘍の一部
・ALP5の出現:肝硬変、慢性肝炎、糖尿病、慢性腎不全


アリアちゃんは、ALPのALP3の骨の分画は、正常値でした。

私たちは、ALPのアイソザイムをして、骨転移をみています。