■ネコ 風邪をひいても抗生剤は効かない? #猫ウイルス性鼻気管炎#猫カリシウイルス感染症 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

↑写真は、以下から

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Katzenschnupfen_Herpes.jpg

 

寒い季節になってきました。この時期に、猫さまに流行る風邪の原因は、ふたつあります。

*猫ウイルス性鼻気管炎 

 (英: feline viral rhinotracheitis (FVR)

 

*猫カリシウイルス感染症

 (英:feline calicivirus; FCV)

 

●どちらもよく似た症状です。

(症状)

*発熱

*元気消失

*食欲不振

*くしゃみ

*鼻漏

*眼やに

*流涎

*呼吸困難

*結膜浮腫

*角膜炎

*角膜潰瘍

 

●FVRとFCVの違い

 

猫カリシウイルス感染症は、舌などの口腔内に潰瘍ができることです。口を大きくあけて見て、あげてくださいね。

 

●抗生剤は、ウイルスに効果があるのか?

抗生剤は基本的に細菌には有効ですが、ウィルスに有効性を発揮することないのです。抗生剤は、2次感染の予防のために打つだけで、抗生剤を打ってもウイルスはいなくなりません。

 

以下のサイトを参考にしています。

子供がかぜをひいても、「受診」や「かぜ薬」が必須ではない理由

 

 

 

 

●私たちの治療

*インターキャット

*丸山ワクチン

*補腋

*食事療法

*噴霧器

*2次感染の予防のために抗生剤を使う。

 

●FVRの問題点

FVRは、ヘルペスウイスルなので、一度、感染すると、体から出ていかないの

です。回復後には猫ヘルペスウイルスは潜伏感染し、免疫力の低下などにより再活性化する。つまり、免疫が落ちるとまた鼻水や目やにが出るのです。

 

●飼い主さんのできること

*免疫が落ちないように、食事に気をつける。

*温かい環境を提供する。

*丸山ワクチンやインターキャットの目薬をする。

 

科学的に風邪になるメカニズムを知って、治療をしてあげてくださいね。