■がん 表在性のがんで浸出液の処置はどうするか! #エタノール局注療法 #エタノール固定#乳がん | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

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↑温かいところでまったりしているラッキー

 

私たちの病院はがんのもふもふちゃんが多く診察させていただていいます。

表在性のがんは、すぐそこにあるのに、治すのに、どうしたらいいかと思って勉強を重ねています。

 

たとえば、

*表在性の肥満細胞種

*乳がん

 

などは、血と浸出液が出ます。

ニオイもあり飼い主さんの生活の状態もよくありません。もちろん、手術をして、綺麗さっぱり取れればいいのですが、それが出来ない子がいるのも現実です。

 

飼い主さんは、なんとか出来ないかな、と思っておられることでしょう。

 

そこで、「浸出液」「血」もタンパク質が含まれているということに着目します。ふたつあります。

 

●エタノール局注療法

 

人間の肝臓がんの治療で「エタノール局注療法」というのが、あることを書きました。

 

■がん 表在性がんにエタノール局注療法 #乳がん #エタノール局注療法

 

つまりがん細胞、血などのタンパク質を固定してしまう! という考えなのです。

 

●モーズ軟膏

 

モーズ軟膏というのは、表在性のがんの治療や管理に使われています。これは、塩化亜鉛がタンパク質を凝固させるということが目的なわけです。以下に書いています。

 

■がん 表在性がんにモーズ軟膏 #乳がん #モーズ軟膏

 

 

(私たちの病院では、治療のひとつとして、乳がん、肥満細胞種の子にこのモーズ軟膏を使っています。)

 

●タンパク質凝固

*エタノール

*モーズ軟膏の塩化亜鉛

 

 

などはそのような作用があります。

 

飼い主さんが、安全で簡便に出来る方法はなにか?を考えてました。

 

●飼い主さんが簡単に出来るがんの浸出液の管理

*衛生的な綿花で患部を拭く。

*コットンに無水エタノールをつけて、トントン叩く。

  化粧水を顔につけるように。

  注意:がんではないところには、つけない。健康な組織のタンパク質を傷つけないよういに。

*それでも止まりにくい場合は、綿花に無水エタノールを浸して数分後間、抑える。

 

この治療で注意点

*すべての浸出液が止まるわけではないので、かかりつけ医とご相談くださいね。

*無水のエタノールで水が入っていないものでないと、効果がない。

 

 

もちろん私たちは、モーズ軟膏だけ、エタノール局注療法だけで、がんが寛解するというわけではなく、治療のひとつとしてやっています。

がん細胞は、活発な細胞なので、他方面からアプローチしましよう。

 

がんは、代謝がうまくいっていないので、がんになりにくいカラダにしてがんに負けないカラダにしましようね。