大阪・和泉市 信太山陸軍墓地跡を訪ねて | 艦艇・船舶つれづれ

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旧帝国海軍および海上自衛隊の艦艇、海上保安庁の船艇、主に戦前の民間船舶を中心としたブログです。
「海軍艦艇つれづれ」からタイトルを変更しました。

今日は、夏休み中の息子が3泊4日で沖縄旅行に行くそうで、午後イチで関西国際空港へ向かいました。

昨日、関空に関するブログを書いたばかりでしたが、今日の関空の写真を送ってきたので。

 

令和6年9月8日の関西国際空港

 

ジェットスターに乗ると言っていたので、第二ターミナルかな?

 

13時前に息子を最寄の南海本線の駅まで送っていった後、我家の和室の障子が破れていたので、張り直しをします。

 

左側の下2段が新しい部分

 

障子紙は事前に買ってきてもらっていましたが、なんと糊がスティック糊しかない!

仕方なくコンビニに走り「アラビック・ヤマト」を購入し、無事張替えることができました。

そういえば、最近あまり「フエキ糊」って見ないですね。

 

まだ時間があったので、少々お出かけを。

我家から比較的近い所に、陸上自衛隊の信太山駐屯地があります。

これまで行ったことなかったのですが、ちょっと車で近くまで行ってみます。

 

陸上自衛隊・信太山駐屯地の正門(車内から撮影)

 

ここは旧帝国陸軍の野砲兵第四連隊の兵舎・練兵場などが設営され、その後も野砲兵第百四連隊・同第三十四連隊・同第四十四連隊・陸軍病院の分院などが置かれ、戦後は連合国軍の接収を経て、現在では陸上自衛隊の第37普通科連隊などが駐留しています。

 

この駐屯地の隣に「黒鳥山公園」という公園があり、今日の目的地はこの公園です。

駐車場があるので、車を止めて公園内に入っていきます。

 

黒鳥山公園の案内図

 

この「黒鳥山公園」は、旧帝国陸軍の練兵場に隣接した信太山陸軍墓地に造成されたものです。

 

現在では陸軍墓地の面影は殆どありませんが、昭和17年4月に完成した忠霊塔が現存しているので参拝に向かいます。

公園内の配置が分からなかったので、裏側から入ることになってしまいました。

 

旧信太山陸軍墓地「忠霊塔」

 

「忠霊塔」の全高は13m・塔部分は幅2m・奥行2.25m、塔下部の納骨堂は幅9.5m・奥行5.5mのコンクリート製花崗岩張りと、かなり立派な塔です。

「忠霊塔」には、日華事変から大東亜戦争にかけて犠牲となった軍属らの約1,560名の骨壺と1,400を超える位牌が納められています。

 

周囲の外壁には落書きを消した跡があり、納骨堂の扉にはへこみが多数あるなど、いたずらをされた跡がありますね。

 

ここは小高い丘のような場所になっており、背後には遊具等もある広場が造成されています。

 

丘の上の広場

 

広場の南側の一段高い場所には、「天皇駐蹕所」の碑が建立されています。
しかし、表面は樹木に覆われかろうじて碑があるのが分かる状態です。

 

「天皇駐蹕所」碑・表面

 

裏面は碑全体が見えますね。

 

「天皇駐蹕所」碑・裏面

 

この碑は、明治31年11月に河内平野で行われた第四回陸軍特別大演習に際して、明治天皇が黒鳥山に駐蹕され護統監されたのを記念し、明治34年に建立されたものです。

 

「忠霊塔」の丘からは、和泉市の街並みを見下ろすことができます。

 

丘の上から見た和泉市の街並み

 

丘を降りて下から「忠霊塔」を望みます。

 

丘の下から見た「忠霊塔」

 

参道の入口には両側に灯篭の基部があります。

以前は、この上に灯篭の傘が載せてありましたが、今は無くなっており上部に防水処理がされています。

また、向かって右側の基部は、防水処理が破損していました。

 

防水処理が破損している灯篭基部

 

「忠霊塔」は、財務省近畿財務局の所有で和泉市に無償貸与されていますが、令和元年に耐震診断調査をした結果、保存状態は良好だったもののコンクリートに鉄筋が入っておらず強度が不足し、地震で損傷が起きる恐れがあることが判明したそうです。

 

それまで、和泉市に対して国は「補強をすれば安全に保持できる可能性がある」と説明していたそうですが、令和2年の春になって「地盤にも深刻な問題があり、補強も困難」との見解を伝えてきたとのこと。

国も管理する気が無いようで、塔の先行きは暗い感じです。

 

黒鳥公園では、何カ所か案内板がありましたが、ここに陸軍墓地があったことや、「忠霊塔」「天皇駐蹕所」に関する解説は見当たりませんでした。

少々雑に扱われている感じの帝国陸軍の痕跡が、現在の平和を象徴しているかもしれません。

 

駐車場に戻る道に、忠霊塔の入口と同じ標高に展望台のようなものがありました。

 

黒鳥公園と和泉市の街並み

 

ここからは、黒鳥公園の南側と和泉市の住宅街が見えます。

 

荒れていく陸軍墓地と、そこから見える現在の平和な住宅街の街並み。

現代史を大切にしない今の日本を象徴しているように感じます。

英霊の方々への哀悼と今の平和が続くことを祈りながら、黒鳥公園を後にしました。

 

「忠霊塔」側から見た参道

 

【Web】

 ブログ「大日本者神國也」

 

 

HP「防衛省/信太山駐屯地」

https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/3d/shinodayama/

 

HP「朝日新聞/ニュース:旧陸海軍の墓地、どう保存 進む劣化・損傷、でも国は…」