日本の海洋権益を守る・測量船「光洋」就役へ | 艦艇・船舶つれづれ

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旧帝国海軍および海上自衛隊の艦艇、海上保安庁の船艇、主に戦前の民間船舶を中心としたブログです。
「海軍艦艇つれづれ」からタイトルを変更しました。

本日は午後から家のTVアンテナ配線の取り回しでバタバタしていました。

このため、ブログのための調べものをする時間がありませんでした。

 

そこで、本日は3月16日に就役する海上保安庁の測量船「光洋(こうよう・HL012 )」を取り上げてみます。

といっても、あまり資料がないので、海上保安庁のHPの資料からになります。

 

 

「光洋(HL-12)」は「平洋(へいよう・HL-11)」型の2番船で、平成28年12月に関係閣僚会議で決定した「海上保安体制強化に関する方針」 に基づき、海洋調査体制の強化の一環として1番船「平洋」とともに整備された測量船となります。

「光洋」は、令和元年9月に三菱重工下関造船所で起工され、令和2年6月に進水しています。

【要目】

 総トン数:3,884トン、船質:鋼、全長:103m、幅:16m、深さ:7.8m

 機関:総合電気推進(ディーゼル発電機×4)、推進:アジマス電動推進器×2、乗員:50名

 出力:約6,400馬力(4,800kW)、速力:17ノット以上

 ※引用:世界の艦船、No.933、2020年10月、海人社、P.92

 

測量船「光洋」(引用:海上保安庁HP)

 

「平洋」型2隻は、日本の海洋権益に対する近隣諸国からの不当圧力への対抗手段として、日本周辺海域の地形などを精査することで、海洋権益の正当性を科学的に証明しようとするもので、最新鋭のマルチビーム測深機、音波探査装置、採泥器などの測量・観測設備を備えています。

船体も防振・騒音対策が強化され、推進システムは統合電気推進とアジマス電動推進器が採用されています。

東郷電気推進とは、電気推進のうち、推進用と艦内サービス用の発電機を共用化したもので、主機4基+補機1基のディーゼル機関は、発電のために使用され、運転台数を切り替えることで低速連続航行への適応力を向上させています。

 

また、アジマス電動推進器は、アジマススラスターとも呼ばれ、全周旋回可能な推進器となっています。

「平洋」型のアジマススラスターは、水中放射雑音の発生を抑えるため装置の船首側にプロペラを取り付けられ、両舷でそれぞれ独立して操作することができる構造となっています。、

 

「平洋」型のアジマススラスター(引用:海上保安庁HP)

 

また、船首には大型のバウスラスターも備えており、海上の任意の地点で留まり続ける操船能力(定点保持能力)を向上させることで、底質採取や水中テレビカメラ観測などの定点観測の精度向上を図っています。

この推進方式は以前に取り上げたことがあったような気がして探してみたら海上自衛隊の敷設艦「むろと(ARC-483)」とほぼ同じ形式の推進方式でした(海自・海保・帝国海軍 それぞれの「むろと」 

 

「光洋(HL-12)」は来る3月16日には就役し、姉妹船「平洋(HL-11)」とともに日本の海上権益を特ア諸国などから守るために活躍することを願っています。

 

測量船「平洋(HL-11)」(引用:Wikipedia)

(海上保安庁 (Japan Coast Guard), CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=90348650による)

 

【参考文献】

Wikipedia、海上保安庁HP および