札幌市円山にあるアネス動物病院で代表をしております、石塚です。
私は獣医麻酔専従医として、大学病院や2次診療施設で多くの重症例を麻酔したり、集中治療を実施してきました。
ですので、私の周りには同じような専門家がおり、昼夜を問わず、診断治療が難しい犬猫や、とんでもない状態で運ばれてくる犬猫を治療するスーパードクターがたくさんいる環境で生きてきたと思っています。
ただ、飼い主様から名医と言われる獣医師は必ずしも、スーパードクターではない・・・と感じます。
先日、ある病院で、リンパ腫と診断されたわんちゃんがいました。
小腸に塊を形成して大きな腫瘍となり、小腸を閉塞していました。
本来、リンパ腫は抗がん剤で治すことが可能ではあるのですが、閉塞し、嘔吐などの症状を示している症例にはやはり外科的な切除が適応です。
その後、必要に応じて抗がん剤を使用するのが正しい治療だと思います。
ただ、手術代はそれなりに高いです。動物医療は保険適応が人と違い大したものではないので、人と同じような3割負担のように安く対応することができません。
実際、人と同じ電気メスやシーリングシステム、麻酔器、薬剤、そして人件費・・・私自身、動物病院を始めてみて、恐ろしいほど何も残らない・・・そんな経営です。
ただ、急に手術代30万円なんて言われたら、そりゃ驚きますよね。自分でも嫌になります。
飼い主様も手術を拒んだそうです。その病院を離れ、近くの病院に行って、ステロイドを投与されたそうです。
結果、臨床症状は一時改善したようです。
そのことを口コミで書かれたようで、その動物病院の院長先生が酷く落ち込んでいました。
考え方はそれぞれです。私たちは選択肢を与えることしかできません。
この飼い主様にとっては、新しく行った病院の先生を名医と思うでしょう。
ただ、スーパードクターたちは、その先の未来を知っています。
だから手術を勧めたのですが、これは結局、この病院の先生がその未来を飼い主様にご提案ができなかったということで、結局はその病院の落ち度にはなるのですが、
正しく治す
と
とりあえず治る
は大きな違いです。
飼い主様に寄り添った治療とは、何かよく考えさせられます。
あまり経験もなく、数個の治療方法しか知らない獣医師が寄り添った選択肢を本当に提案できるのか、
多くの経験と知識を持つ獣医師が、飼い主様とその動物にあった治療方法を初めてご提供できるのではないかと、私個人としては考えます。
とは言っても、物言わぬ動物たちの病気をなんでも治せる訳ではない私が、理想を振りかざしてもダメなんです。
もっともっと、努力して、札幌の犬猫の病気を全て治せるように、アネス動物病院を成長させるしかないと思っています。