航空業界の仕事から完全にリタイアして悠々自適のK君と
定年退職したのも束の間、大学から手伝ってほしいと声がかかり
三年ぐらいならと承諾したところ現役時代よりも忙しくなったA君、
六本木の「春夏秋冬」にて近況を語り合っての久しぶりの懇親会も
話はカミさんとの付き合い方におよんで貴重なデータ収集の場となる。
つまるところ悠々自適であるK君が奥方からいちばん冷遇されているようで
彼が家にいると奥方の外出が頻繁になって一緒に過ごす時間がないとのこと。
国内や海外の旅行、ゴルフなどには一緒に付き合ってくれるというのだから
要はカミさんのテリトリーである家にいてはいけないということのようだ。
愚痴とため息の混じり合った彼の話を聞いていると
どうも彼は家事というもの全般に前向きな姿勢ではないみたいだ。
歴史好きの彼にケネディの大統領就任の演説をもじって
「妻が君のために何をするかではなく君が妻のために何ができるかだ」
ものすごく偉そうに言ってしまったけれど、はたして自分はどうか?
朝食はほぼ毎日ボクが作っていることを白状するとK君もA君も驚いていた。