少女っていうのは | 祈るまえに、恋をして。

祈るまえに、恋をして。

ときどきぽつりと更新。

少女って言うのは
さっきまでぷーっと
なっていたかと思えば、
つーんと知らんぷりして
でもいつの間にか
ケラケラと笑顔満面
だったりする。

ころころと
よく変わるのだ。

イタリアを訪れて以降
少女きしんちゃんも
最初は仏頂面で
その感情の起伏に
母であるわたしは
ご機嫌を伺いながらも
内心めんどくさーと
思わんでもなかった。

くるくると短いスパンで
変化を繰り返すきしんちゃんの表情が
違う意味で変化の時を迎えるなんて
わたしでさえ想像していなかった。

この旅で、この場所をきっかけに
彼女は自分の未来を語りはじめ
今もなおどんどん変化をしている。
ここで。


祈るまえに、恋をして。

これには正直わたしもびっくりした。

ここはリゾート地カプリ島。
別荘や5つ星ホテルに
美しい人々が集い
有名メゾンの期間限定ショップで
超レア商品をお買い上げになる
っていう顔を持つ。
確かフェラーリ経営一族の
別荘があり、青の洞窟があるところ。

うーんと古くは
古代ローマ皇帝のお気に入り

だけど、いたって
のんびりムード。


祈るまえに、恋をして。

このおおらかな空気に
彼女はこの島に降り立った瞬間
真剣な顔で

「ここに将来住むから」
と言ったのだ。

へぇ???
あれほど日本命の娘が
この島の空気がたまらなく
わたし、大好き!!!
と叫んでいた。

へーへー
で、ここでどうやって
暮らすの?
と聞けば
午後3時半くらいまで働いて
あとはのんびりするの。
本気とも冗談ともとれる物言い
ながら、目は真剣なのだ。

へぇ、リゾート地で
働く人になるの?
リゾート地って来る場所じゃないのーっ?

そんな超現実的質問を
繰り返す母に
少女はむっつり無視を決め込み、
意思を持って
高台にあるアウグスト公園
に向かう小路を進むのだ。

この地に心奪われし
少女の後ろ姿を
見つめながら

やいのやいのと
外を見よと
母が口うるさく言うより

よほどこの海が
この島の空気が
彼女を成長させるのかしら
彼女を変える力があるのかしら
と考えながら後を追って歩いた。

途中、このカプリにある
修道院が作ったという
フレグランスやボディケア商品
が売っているなんとも上品な
Carthusia(カルトゥーシア)
というお店がある。

「あんおーぉ、ここ寄りたいぃぃぃ」

叫ぶわたしに、
あぁめんどくさいという
顔をして
先を急ぐ娘が
引き返してくれる。

いつのまにか
立場が変わって
めんどくさいのは
この物欲に溢れた母?

祈るまえに、恋をして。

祈るまえに、恋をして。

娘は今でも
ここが大好きという。