お出かけの間に | 祈るまえに、恋をして。

祈るまえに、恋をして。

ときどきぽつりと更新。

$祈るまえに、恋をして。


リキシさんは
いつものことで
また世界のどこかを
渡り歩いている。

今回も外出先から
成田を経由するも
入国しないまま、
そのまんま反対側の
次の国にお出かけした。

出発の日は
許される限り
東京のどこかで
見送っている。

いってらっさい、と。




あの大きな地震があった日も
リキシさんは関西にいた。
それからというもの
なんだか心細く
続く余震が怖くって
外出も恐る恐る。

そう、余震が怖いわたしは
決まって外出する時
リキシにむかって
しんっけんっな顔で

「ね、地震こない?」

と聞くのだ。これは
「どうかなー?」とか
「わかんないなぁー」なんて
答えたら大変っなことになる。

「大丈夫、こないよ」
という返答をリキシに強要し、
鼻の穴を大きくして
その一歩を踏み出し
お出かけするわたし。


こんな風に彼が出張していても
その場所で会議中でも
恐くなるとメールで

「地震こない?大丈夫?」

と聞いて、大丈夫!という
お返事をちんまり待っている。

先日リキシに

「Vertd'eauさんは弱虫、ケムシだね」

とからかわれた。

わたしは弱虫だけど
毛虫じゃない。


わたしは弱虫だけど
成田エクスプレスに向かうリキシに
バイバイをしたら、
ぐずぐずしたりしない。

案外、目の前に流れる
雑多なことにすぐ集中してしまい
“今日の冷蔵庫の中身”とか
“あの服やっぱ買っちゃおう”とか
夢中になって考えたりしているのだ。

余震があったって
こっから歩いて帰ってやる!
と心の中では
想っていたりする。

わたしは弱虫、毛虫じゃあ ない。

祈るまえに、恋をして。

もうここは出てしまったんだって。
ところで、ヨワムシ、ケムシってなに?