兄の友人と | 祈るまえに、恋をして。

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ときどきぽつりと更新。

わたしには
想い続けた男性がいる。

18歳で出会い
リキシに出会ってもなお
しばらく心の片隅に棲み続け
事あるごとにわたしに
影響してきた男性だ。

このひとは
兄の友人だった。

兄の友人と友人の妹。

高校三年生の夏
兄から友人として紹介され
出会ってすぐ
魅かれあい
帰り路には手をつないでいた。

恋人のようであり
恋人ではなく
片思いのようであり
片想い以上の関係があった。

友人の妹じゃ
まずいよな。
彼はよくそう言っていた。

わたしは彼が
ただただ大好きだった。


大阪で兄と食事しながら
あれは何の話をしていたのか
兄がふいに彼の名前を口にした。

10代の頃出会う友人の話を
していたのだと思う。

あの頃出会って
なんだかあいつ俺を気に入って
よく一緒にいたんだよ。
そう言ってわたしを見た。

兄は私が彼に恋を
していた事を知っている。
私が自暴自棄になった発端であり
私が離婚と言う人生のリセットを
決心した動機であることも
たぶん知っている。

今もなお独身でい続けたのも
彼を待ってのことだと
感じているのだろう。

兄はその渦中にある時
わたしが彼を慕うことを
嫌がっていた。
妹が友達と付き合うってなんかやだよ。
そう言っていい顔をしなかった。


わたしは照れ隠しに
お椀に箸をつけながら
兄が口にした
その彼の名前を
なぞってみる。


あいつとはどうなっているの?

あいつのことはもういいの?

兄の声にならない
つぶやきがあるように
思えて。

もう大丈夫だよ。
元気かな~?

そう言って笑った。

わたしは彼が大好きだった。

だけど交わることのない
パラレルな道を
お互いに歩いている。