よく言う「別れの美学」。
引き際の美しさ、さようならを言う自分。
恋愛のさなかには、そんなことを考えて
酔ってしまうこともありますよね。
離婚に別れの美学はあるのか?と考えたら
なかなか難しいような気がします。
離婚届けに判を押してくださいと土下座した私と、
その美学は対極にあるものでした。
小説に出てくるレストランで最後のディナーを
なんてこともない。最後の夕食はいつどこで
取ったかも覚えていません。
ただ唯一私にできたのは、
マンションを引き払う日の午前中
近所のデパートに行き、元夫の各種下着や靴下、
ハンカチなどを10セットづつ購入したこと。
別れ際「ありがとう」とその買い物袋を差し出したこと。
短い握手をしたことが別れの想い出です。
ののしりあった1年の終わりは、
とても静かだったことが、
唯一美しいことだったかもしれません。