入居者に合った施設選び
介護施設紹介「介ナビ札幌」の相談員の菅原です。
介護施設選び、大丈夫ですか?近くにできた介護施設や新聞の折り込みを見て見学施設を決めていませんか?
それでは適した施設は見つからない可能性があります。もし、介護施設選びを「まぁまぁの施設で良い」と考えている方はそれでもいいかもしれません。ですが、そこに潜むリスクを理解したら、自身で選ぶのが怖くなるかもしれません。
適しているかは誰も教えてくれない
施設見学へ行くと、施設に入れるかどうかの話をされます。例えば、介護度がいくつであるとか、部屋が空いているとか、予算内であるとか。でも肝心の適しているかという話はなかなかなりません。施設側が受け入れできると判断すれば入居できますし、受け入れできなければ入居できません。
実は、入居できることと、適しているかは別物です。
介護施設を選ぶ時は、予算も大事ですが、入居してから安全で快適に暮らせるかをしっかり考えて選ぶ必要があります。
介護施設、特に高齢者住宅においては、介護サービスが複数存在し、高齢者住宅側が何を採用するか決めています。そして、介護サービスはすべてに対応している訳ではなく、心身の状態によってどれを選ぶのが良いかも概ね決まっています。
そして、入居する時点では適していると判断しても、のちのち合わなくなる事も考慮しなければいけません。
介護施設や高齢者住宅への入居は、計画的に、将来を見据えて選択しなければいけません。
施設選択を間違うとどのような事が起こるのか見てみましょう。
脳梗塞後遺症のあるAさん60代
今までは自宅で生活できていたAさん。年金は国民年金で月々10万円に満たない額でしたが、自宅は持ち家だったのと、家族と暮らしていたので不自由なく暮らしていました。急に歩けなくなり、病院へ搬送されると、脳梗塞であることが判明します。一度は自宅へ退院するものの、歩行がおぼつかない様子なので、自宅での生活が厳しくなってきました。
そこで、長年通っていた病院の紹介で住宅型有料老人ホームへ入居することとなりました。
その有料老人ホームへ入居した理由は、生活保護を受け入れてくれる施設であったためです。預貯金もそれほどなく、国民年金であったことから、施設入居の費用を賄うのが難しいことから、生活保護の申請をし、足りない分を補助してもらう形にしました。生活保護でも入れる施設。それが条件でした。
その施設は、近隣では有名な評判の悪い施設です。ですが、生活保護となるとなかなか受けてくれる施設は見つかりません。評判が悪いかどうかは、もちろん病院からは聞いていませんでした。
介護施設へ入居するのは家族でも初めてで、どんな施設を選んで良いか、どうやって探したらよいかもわかりません。病院の担当者の言うまま施設を決めることとなりました。
入居前には見学もしましたが、どこを見たらよいか、聞いたら良いかもわかりません。ですが、看護師もいる施設であったため、安心して入居しました。
施設入居後はと言うと、みるみる衰弱していきました。病状が急激に悪化したので、再度病院へ入院することになりました。入院して発覚したのが、退院時に毎月するように言われていた注射をしていなかったのです。退院時に説明を受けていた看護師や手紙を受け取っていた訪問診療医のミスでした。
入院した際、病状はかなり進行していて、内服薬の調整をしたり、輸血をしたりと1か月ほどの入院が必要でした。何とか回復して退院したのですが、数ケ月後にまた悪化したのです。病院で確認すると、前回の入院の際に、調整された薬(合わない薬だったため中止されていた)が再度飲まされていることが発覚しました。注射のし忘れ、薬の間違いがあり、二度も深刻な病状悪化に繋がりました。それでも何とか退院することができ、不信感があるもののその施設へ戻ることとなりました。
また、数か月後、「1か月前からほとんどご飯が食べられていません。微熱もずっと続いています。先生は看取りになると言っています」と施設から連絡がありました。この方は70代前半とまだお若い方です。家族も看取りは希望せず、必要な治療は受けさせて欲しいと希望していました。ですが、1ヶ月も食欲がない状態を放置し、家族への連絡もない状況。ギリギリの状況になって、慌てて連絡してきた様子。家族の希望としては、病院で治療させて欲しいと言うが、看取りの方がいいだろうと、家族の意向を無視して看取りを勧めてくる。
結局、方向性が決まらず押し問答をしている数日のうちに呼吸状態が悪化し、救急搬送となる。
今回の入院では病状はギリギリの状態。結果、施設に戻る事はできず、別の病院で受けてもらうことになりました。
このように、施設の状況がわからないで入居すると、思わぬトラブルに遭うことになります。また、1回目の注射をし忘れていた件の時に、この施設では問題があると対応出来ていても最悪の状況は避けられたのではないかと思います。
この事例は特殊な事例ではありません。施設の対応力が低い高齢者住宅や介護施設では十分起こりうることです。
介護サービスの種類や予算、立地なども施設選択においては重要な要素ですが、大切な家族を守るためには、信頼できる施設かどうかも重要な要素になってきます。
次回は、他の施設選択を間違った事例をご紹介します。



