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看護相談員のブログ

看護師視点で介護の世界を考える 老人ホーム紹介センター介ナビ札幌の相談員のブログ

 

 虐待のおこる施設とは

 

私は長年、病院や介護施設で働いてきて、職場環境や接遇について考えてきました。

働いてきた職場で環境が悪い職場ほど、不適切ケアや虐待が多かったと思います。

虐待の起こるメカニズムがわかれば、そのような施設に入居し被害者になる事も、また職員として働き加害者になる事もないのではないかと思います。
その虐待の起こる原因について考察してみました。

 

 

 虐待や不適切ケアは個人の責任か?

 

 

 虐待や不適切ケアか起こる時には、加害者に責任の全てがあるように言われる事が多いですが、実際は置かれている環境が劣悪な場合があり、それが原因として虐待が起きやすい環境となっている場合があると考えます。

 以前もお話ししたアメリカの犯罪学者のジョージ・ケリング博士の提唱した理論によると、割れた1枚の窓を放置しているだけで、犯罪率が上がり、街全体を荒廃させてしまうというものです。その理論に基づき、ニューヨークのジュリアーニ市長が街の落書きを徹底して消した事で犯罪率を大幅に改善させた事が有名です。

 これは病院や介護施設においても同様で、些細なミスや事故、不備を見逃さず、インシデントレポートやアクシデントレポートの提出を怠らない事が重要です。

 普段から事故やミスが起こらないよう気を付けるよう意識づけを行い、故意での問題なんて以ての外で、過失での問題さえも起こさない。起こさせないようにする事で大きな問題に発展させないようにしていく事が出来ます。

 

 

 介護施設での体験談から

 

 

インシデントレポートやアクシデントレポートの提出に厳しい施設と、そうでない施設では、接遇や、事故に対する責任感に大きな違いがありました。

 

働く人の違いなんじゃない?

 

私は、どちらの施設の職員でもありました。ですので、職員に違いは無いのではと考えています。他の職員にしても、新卒の頃からずっと居る方は意外と少なく、大多数が中途採用の方です。

 

職員が変わらず何が変わるのか。それは環境です。

良い仕組みと、モチベーションの高さがあれば良い職場が作れるのだと思います。

 

 

 その他の原因

 

 

 虐待や不適切ケアが起こる他の原因は、やはり管理する側の能力が非常に大きいと思います。

 甲子園を見ると良くわかります。

 高校野球で甲子園に常連の名門校があります。出場する選手は毎年変わります。勿論、甲子園へ行きたいからと言って、名門校に素質のある生徒があちこちから集まるということもあるでしょう。

 ですが、本当にそれだけで、勝ち続ける事は可能でしょうか?

 私は野球には詳しくありませんが、やはり監督やコーチ、プレイする環境が整っている事が、生徒自身よりも重要な要素になっているんではないでしょうか?

 

 これは職場にも言え、管理職が職員達のモチベーションを上げ、上手く仕組みで管理する事で良い仕事が出来る訳です。それが介護施設や病院の能力に直結していくわけです。

 

親の顔が見たい

 

とは良く言ったもので、子供が良くない事をするのは、親の監督責任と言う言葉です。

 職員も同じで、管理職次第で良くも悪くもなると考えます。

人間は楽をしたがる生き物です。そこをどうやって良い仕事をして貰うのか。管理職の力の見せどころです。

 

 

 どうすれば良いチーム作りが出来るのか

 

 

 私はそう長くはない管理職経験の中で学んだ事は、スタッフに対して指示するのではなく、仕事はお願いするのだと言うことです。

管理職は偉い訳では無い。

 

 よく、昇進して役職がつくと、部下へ命令出来ると勘違いする方がいます。私も新米管理職の時は間違ってしまった事がありました。

 

「どうして思い通りに動いてくれないんだろう」

 

 そう思い、怒鳴ったり、叱りつけたりした事もあります。しかし、結果としては全く効果はありませんでした。

 部下が動いてくれない原因はいくつかあります。

 まず、管理職への信頼がない事です。当たり前ですが、信頼の無い相手の言う事なんて聞きません。形上は上司ですから聞いたフリはします。ですが、本当の意味で改善しようとはしません。時には反抗してくる事もあります。

 ではなぜ信頼しないのか、それは管理職がスタッフへ関心がないからです。

 管理職にあるのは、仕事がスムーズに進んで欲しいという仕事に目が向いていて、スタッフには向いてないからなんです。

 子供が親に反抗するのは、親が子供を放置したり、自分にしか興味がないなど、愛情を受けていないから、親への反抗は「私を見て」と言うシグナルだと言われています。

 暴走族がうるさい音で街中を暴走のは、「僕はここにいるよ。僕に注目して」と言う注目されたいと言う欲求なんだそうです。

 

 実は、これは大人にも言える事で、自分が行った仕事に対して何らかのリアクションや達成感が欲しいのです。

 上手な管理職は、スタッフをしっかり気にかけ、常に見守っています。

 自分をしっかりと見ていて評価してくれる人の話なら、聞くに値する訳ですが、自分の事を見てもいずに、誤った評価をする人の話は聞きたいとも思えませんし、人はついていきません。

 管理職自身の評価や仕事の進捗だけしか興味のない、またはそう見える人からの言葉なんて聞く耳持たないのは当然ではないでしょうか?

 

 

 管理職のあるべき姿

 

 

 管理職は、スタッフの悪い面を探すのではなく、良い面をとことん探す事。

 もしスタッフがきちんと仕事をしてくれなかったら、それは管理職自身がスタッフをしっかりと見るという事を、疎かにしていると思った方がよいかもしれません。

 

他人は自分を映す鏡である。

 

 他人から親切にされないのは、自分が他人に対して尽くしていないから。

 物事が上手くいかないのは、大抵は自分自身に問題があるのです。

 自分の不出来を他人のせいにしていないか?

 やるべき事をとことんやり切ったか?

 

 自分に一点の曇りもない時に初めて物が言えるのが管理職です。

 管理職だから自分の努力は無くても、スタッフに物申せると思うのは奢りではないでしょうか。

 

 この人の話なら聞きたい。そんな人が指揮を執る施設ならば、虐待は起こらないのかもしれない。

 私は、虐待の起こらない職場で働きたいです。加害者にならぬように。