そこそこ高い給与
看護師の平均年収は519万円と言われています。これは、男性の給与平均567万円、女性280万円からするとかなり多いと言えます。女性は子育てにより正職員として働けなかったり、短期間の勤務となり昇給や昇進が難しいなどということが関係していると思われます。また、男性のように高校または大学を卒業してから、ずっと離職せずに働くことができるので、キャリアが途切れないことも大きいと思います。
看護師として働く利点は、子育てや結婚などを期に離職しても、正職員として復帰するのが比較的容易でああることも挙げられます。私が経験してきた職場の例になりますが、同じ職場でよく比較される介護職員の場合、就職時点で正職員で雇って貰えるケースは多くはありません。介護職員の場合、まずは非正規から入職し、勤務状況を見て正職員へ昇格するというところもありました。
しかし、看護師は、正職員を希望しているのに非正規からの入職をすすめられるというケースはあまり聞いたことはありません。
もちろん、入職には面接試験があり、応募過多により不採用となるケースもありますが、正職員からではなく、非正規であれば入職可ということを打診された話は聞いたことがありません。
人員配置基準が関係
看護師が正職員での就職がしやすい理由として人員配置基準という考え方があります。病院では、病棟に何人の医師や看護師が配置されているかによって、入院基本料が変わります。どれだけの質のケアを行ったを測る指標として、看護師の数をもとに計算されているというものです。2006年に7対1看護と言って、患者7人に対して1人以上の看護師を配置するという新しい基準が設けられました。元々は10対1看護が最大で、それ以上看護師を配置しても人件費が多くなるだけでした。しかし、7対1看護が導入され、収益増が見込めるとあって、急性期の病院が看護師争奪戦を繰り広げました。しかし、最近は10対1看護に戻すところが多くなっています。これは、人員配置基準を1人でも割ってしまうと、基準違反となり、国からの報酬が引き下げられてしまうため、看護師の数を余裕をもって確保できない病院は維持が難しいという点が挙げられます。
このような理由から、看護師の奪い合いで給与がある程度確保されているというのが現状です。
人員配置基準は介護職員にも
病院での介護職員の配置基準もありますが、看護師に比べると厳しくないので、概ね満たすことは難しくないです。介護施設にも介護職員の人員配置基準があり、3対1介護というものがあります。ですが、老人ホームは人員配置基準のある介護施設より、人員配置基準のない住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の数が圧倒的に多く、看護師のように、有資格者全員の雇用が守られるという状況にはなりにくい構造があります。
近年の介護職不足
近年は、団塊の世代の方が75歳以上の後期高齢者となり、老人ホームへの入居が増えてきている現状があります。
そこで介護職員不足はあちこちの介護施設や高齢者住宅で起きています。ですが、労働に見合うほどの給与の上昇は起きていません。この理由は、介護職員の報酬となる収益が介護保険報酬に依存しているからです。
日本は30年経済が停滞し、お金持ちの方と貧困層の格差がどんどん開き、中間層のボリュームゾーンの方が減っています。若いうちに稼いで預金を残し、老人ホームへの入居する資金がある方や、厚生年金や市町村年金(共済年金)などが上昇しないことから、高めの老人ホームへ入れる方が減っています。
この物価上昇を受けても、介護報酬が上がらない状況では、介護職員への分配が難しいのです。
介護職の給与
介護職員の平均年収は350万円~450万円程度と言われています。介護という仕事は、欠かすことの出来ない、非常に大切な仕事です。どんな人でも年齢を重ねれば、介護される側になる可能性があります。介護が受けられないという将来があれば、これは何より恐ろしいことです。そして、人の介護をするということは、自身の成長にも繋がると私は考えています。そんな尊い仕事の将来が脅かされているということは、非常に困ったことです。
私が介護の道に入ろうと思った35年前も、すでに高齢化は社会科で習いました。そしてそれが将来加速することも言われていました。
私が介護で一生働こうと考えると、最低でも50年先を見据えないといけないと考えていました。こんなことを考えている中学生はクラスに二人だけでした。
将来を考える大切さ(余談)
50年後の将来を見据えて、仕事の選択をしたり、将来の備えをする。これを語れた中学生はクラスに2人。私は、社会科で習った人口動態について考えながら将来の仕事を選択したわけですが、クラスにはもう一人将来について真剣に考える人がいました。
保育所時代から仲の良かったA君です。小学生の頃からの変わり者のA君は、在日朝鮮人でした。
私の父は、あいつの家族は朝鮮だと、馬鹿にしていましたが、母は、日本人と変わらず接していました。母親同士仲良かったと記憶しています。そんな仲の良かったA君は、小学生の時から歴史マンガや難しい小説を読み、「貨幣の価値は変わるけど、金の価値は上がり続けるから金を買うんだ」と言っていました。私を含めたクラスメイトはそんな話には興味を示していませんでしたが、そんな事を言っていたのが非常に印象的でした。
当時の金の価格が1g約2000円、現在が1g17000円。何と8.5倍です。凄い読みですね。
今だと、金の取引や株取引は当たり前ですが、小学生でそのことを語っていたとは凄いです。彼は今頃どうしているのか。
介護職を目指す方に伝えたい
介護という仕事は素晴らしいです。ですが、介護という仕事をするのに、介護職ではなければいけない理由は無いのです。
私は介護の世界に入りたいと思ったと同時に、将来のことも考えました。生活できる給与や自身の信念を貫くためには、力が必要であると。
それで選んだのが看護師という道です。看護師であれば、病院でも働けるし、介護施設でも働ける。管理職への道も大きく開ける。好きだから介護職を選ぶでは不十分であると思います。
「看護師でも介護はできる」
この考え方に気づけたのは、私ではなく周囲の方々が優秀だったからだと思い感謝しています。
好きな介護を続けるために、優位な立ち位置を考えるのは間違いではないと思います。介護が好きなのに、給与や待遇が割に合わないとか、腰を痛めてしまい働けなくなったと離職する人の話を聞くと、非常に勿体ないと思います。介護は「あなたのような人を欲しているのに」と思ってしまします。
それでも、介護職でいきたいという方は、腰を痛めてしまうという万が一の時の事を考えて、ケアマネージャーや看護師など他の職種へのステップアップも視野に入れて備えておくことをおすすめします。
看護師はそんなに難しくないです。但し、必ず学校へ行く必要があるので、若いうちが行きやすいですよというだけです。
いずれ自身もお世話になるかもしれない介護の環境は、守っていきたいと思います。






