習い事シンドローム | 12才からの海外ボーディングスクール

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「2才8か月の娘にピアノを習わせたくて」というお問い合わせをいただいた。


ペースメソッドでは、2-3才は、お友達の想像力も借りて上達するグループレッスンのほうが有効なので、

パートナーの先生の開催する水曜をお勧めしているのだが、

「水曜はスイミングなので」

とおっしゃる。


そのお母様の希望としては、

- スイミングの日以外で

- 幼稚園に近くて

- ピアノを教えてくれるところ

という優先順位がうかがえる。


生徒の頭数だけ揃えたいような教室では、そういうお子さんも大歓迎であるが、私はこういうご家族と長くお付き合いできるとは思えないのだった。


親自身がピアノを習いたいと思ったとき、先生にそういう言い方をするだろうか。

模範解答としては、

- こういう曲を弾けるようになりたい

- 趣味として音楽に触れていたい

- ピアノの音色を楽しむ時間を作りたい

というようなことであり、そういう環境をわが子にも与えたい、というのなら応援してあげたいと思う。


最近、大人のレッスンにも「おためし」「3ヶ月講座」という薄利多売が主流だが、習い事というのは、ある程度のレベルまで上達する以外にも、一生付き合えるような、長い時間かけて究めていくものもあると思う。


とくに、2-3才の子にそういう出会いを作るのは親であるのだが、

親のほうが、

- うちの子はプロになれるわけはないし

- どうせ子供のほうも2-3ヶ月したら飽きちゃうと思うけど

- そろそろ習い事でもさせておきたいから

という気持ちでお稽古選びをしても、その子が一生付き合えるような素晴らしい教室や立派な先生と出会えるのはむつかしいと思う。


2-3才で成功する習い事は、おもに2つあると思う。


- 1つは、子どもに良い環境を作ってあげること。

名曲や名演奏を聞かせるチャンスを利用して、親子で心から楽しむこと

バレエや舞台でも良いし、英会話のパーティーでも良いのだが、とにかく親がハマっていて、楽しそうにしている様子を見せること

親が読書にハマっている姿を見せれば、子も本好きになるのと同じだと思う

親が野球やサッカーが下手であっても、観戦するのは大好きであれば、子どもは上手になりたいと思うきっかけになる


つまり、ひごろ親の関心がないものを急に子供に与えようとしても、長続きしない。


- もう1つは、子供が強い関心を持ったら、始めるチャンス

上の子の習い事に連れていったら、下の子まで興味津々になってしまった、というのはよくあること

たまたま上の子よりも早く、楽しいものを知ってしまったわけなので、本人のやる気が毎回強く感じられる場合は、先生にご相談してみると良いと思う。


2-3才というのは、未就園児が多く、集団生活や親以外の大人と接する経験が少ないので、

親はそういう部分をサポートする必要がある。

たとえば、

- 他の生徒の迷惑になるようなことはしない

- 先生の言うことをよくきく

- 自分の持ち物を管理する

などである。


私は親の都合で習い事を押し付けるのは嫌だったので、長女が5才になって

「ピアノを習ってみたい」

と言うまでは、お友達作りの親子スイミングと、格闘技のできるスポーツクラブぐらいしか連れて行っていなかった。


とくに音楽に関しては、子どもが一生付き合うかもしれないものなので、本人がそう思うまで放置していた。


そのかわり次女は、長女の習い事に同伴していたので、

「わたしもやりたい」

という気持ちが早かった。


長女が習字をはじめたときに、ちょうど鉛筆に興味を持っていたので、そのまま一緒に習うことになった。

2-3才のころだったと思う。


子供の発育に合わせて、

「そろそろ何かさせなくちゃ」

はあるかもしれないけど、それをきわめるには、長い長い道のりがあることを知って、付き合う覚悟も必要だと思う。