「ジーザス・キャンプ」キリスト教原理主義を描いたドキュメンタリー | ベロニカのオススメ洋書☆

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ジーザス・キャンプ ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~ : 松嶋×町山 未公開映画を観るT.../出演者不明
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洋書を紹介するブログですが・・・今日はTSUTAYAで見つけたあるドキュメンタリー映画を紹介したいと思います。

キリスト教にはいろいろな宗派がありますが、その中でも時に原理主義として分類される「福音派」(Evangelical)という宗派があるのをご存知でしょうか。このドキュメンタリーは、アメリカ・ノースダコタ州でこの福音派のベッキー・フィッシャーという女性が開いている子供向けのサマーキャンプを記録した映画です。

映画に登場するのは、アメリカのどこにでもいるような普通の子供たちです。しかし教会で牧師の説教に涙を流し、トランス状態に陥る彼らの姿は衝撃的で恐ろしくもあります。「イスラム教では子供たちが信仰のために命をかけている。私の子供たちもそうであるべきだ。」とフィッシャーは言います。「神の軍隊」― 教会は信者たちをそう呼んでいます。聖戦という名のもとに殉教者として自爆テロを行う、そんなことが起こるのはイスラム圏だけだと思いがちですが、それは間違いなのかもしれません。この映画に映し出されている子供たちは、キリストのために殉教することも厭わない、そう語っているのですから・・・

信仰は多くの人々に救済をもたらします。しかし、自らの信仰がすべての真理であると主張する人間たちによって、どれだけの血が流されてきたのか・・・この子供たちがそれを理解する日は来るのでしょうか。

福音派はもともと、18世紀に英国で始まったプロテスタントの宗派であり、新興宗教ではありません。また、近年では福音派の中でもその考え方や方向性にもさまざまな議論があり、福音派のすべての教会や信者がこの映画で描かれているように過激で急進的ではないことも付け加えておきます。

この映画は2007年アカデミー賞の「最優秀ドキュメンタリー賞」にノミネートされています。映画の公開後、フィッシャーはキャンプ場の所有者から施設の提供を拒否され、翌年からサマーキャンプの実施を断念しましたが、彼女の教会である「Kids in Ministry」は現在も活動を続けています。



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