映画『サラ、いつわりの祈り』感想 | vermouth14さんのブログ

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新旧問わず毎年200本は映画を見るので、映画の感想をメモ程度に書いています。
いち映画ファンとして少しでも気になる作品を紹介出来たら嬉しいです。
その他にもドラマ、アニメ、漫画、小説、歌詞など好きなものを自由に書いています。

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原題(The Heart Is Deceitful Above All Things)


――心は何にもまして偽るもの。とらえがたく病んでいる。誰がそれを知り得ようか?――


エレミヤ書 第17章 第9節


里親のもとで育った少年ジェレマイアは、ある日突然現れた実の母親、サラに引き取られてしまう。
彼の生活は一変した。
ドラッグ中毒の母親に、ころころと変わる父親たち。
酒にドラッグ、売春、万引き。。。
ありとあらゆる問題が彼のもとへと降りかかる。

目の前に広がる大人の世界を子供の目線で描き切った一作。



監督、脚本を母親役(サラ)であるアーシア・アルジェントが熱演。

本作は小説(フィクション)が基となっており、それを映画化したもの。
著者の騒動について詳しくはWikipediaで。


主人公の少年をジミー・ベネット、後半をディラン&コール・スプラウス(双子)が演じている。


他にもマリリン・マンソンや、ウィノナ・ライダー、ジェレミー・レナーなどが出演している。


感想としては、久々に強烈な作品だった。
常に低い位置から構えられたカメラに、間近に迫るようなリアルな映像。

残酷なシーンを少年の妄想で表現する方法もユニークで良かった。


本作は母親と息子の愛情物語というよりも、愛のない母親と息子の壮絶物語という感じだ。


どこまでも勝手でネグレクトな母親に、どこまでも従順で幼気な息子。


見ていて胸が痛むシーンや、実際に自分がこんな状況に置かれたら......と思うと背筋が凍るシーンがたくさんあった。


ジェレミーの役所も衝撃的(ちょい役だとは思っていたけど、まさかあんな役だったとは......ファンとしては複雑な気持ち)。

それから子役のジミー・ベネットの演技がとても上手かった。
それだけに残酷で切ない。


最近、ニュースでも子供の餓死が相次いでいるけど、最後まで親を信じて死んでいったのだと思うとやるせない。


是非、多くの親に見てもらいたい作品だ。


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