みなさまこんにちは、オリーブオイルソムリエ&テイスターの藤本真理子です。

昨日のことですが、Yahoo newsを見ているとオリーブ偽装のニュースが目に飛び込んで来ました。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160204-00000060-reut-eurp

オリーブオイルに興味をもってらっしゃる方なら、去年からオリーブやオリーブオイルの偽装のニュースがあちこちに出ていることをご存知だと思います。

もともとオリーブの偽装はあったことなのですが、特に去年偽装が多かったのは理由があります。  ここのところのヨーロッパでの冷夏のため、オリーブの収穫量が大きく減り、品質も大きな影響がありました。

実際に私が2年前の10月末から11月初旬に北イタリアから南イタリアまで視察した際に見たものは、南シチリア州、カラブリア州ではまずまずの出来でしたが、中部トスカーナ州、ウンブリア州では目を覆いたくなるような状態のオリーブが木に放置された状態か地面に落ちているという状況でした。 ピリ辛のオリーブオイルのはずが、熟しすぎた果物のようなオリーブオイルがほとんどでした。 そして北イタリアでは収穫ゼロといった搾油所も多くありました。

実際ベリタリアが輸入している北イタリア、ダルダ湖畔のカザリーヴァは去年は入荷がありませんでした。

問題は、収穫できなかった年にシリアやトルコ産のオリーブオイルをイタリア産として出荷したこと、さらに酷いのは、その1年前に収穫したオリーブに硫酸銅をまぶして、再び青くして出荷したことです。

去年のイタリアは特に20年に一度の不作と言われ、オリーブの無残な姿を見て、視察に訪れた私のほうが、搾油所の人たちは一年どうやって生活するのだろう。。。などと悲しい気持ちになりました。

しかし、どんな理由があっても偽装は(特に体に悪影響を与えるような偽装)許されないことです。

私の仕事は、現地の生産者さんと話をし状況を把握して、生産者さんのこと、現地のこと、商品のことをお客様に説明することだと思っています。

作物を作るという仕事は天候に大きく左右されます。

素晴らしい生産者さんをしっかり選んで、オリーブオイルの出来の良い年も出来の悪い年も、ワインのように理解して購入し続けていくことが、頑張っている素晴らしい生産者さんを守ることであり、長い目でみて良いオリーブオイルを供給し続けていただけることだと考えています。