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「新しい権力分立」※モンテスキューの後の権力分立について
リベラル・デモクラシーの政治体制は、権力分立のあり方によって、大きく三つに分類することができる。第一は行政府の長と議会とを別々に有権者が選挙する大統領制で、アメリカがその典型である。第二と第三は、いずれも議院内閣制で、有権者が議会の議員を選挙し、議会が行政府の長を選任する点で共通する。ただ、このうち、第二のイギリス型議院内閣制では、議会や行政府の権限に対する制約が、明示的には存在しないのに対し、第三の「制約された議院内閣制」では、議会や行政府の権限がさまざな形で憲法上、制約されている。ドイツや日本の議院内閣制は、この第三のカテゴリーに属する。

以上

とした上で、アッカーマンは大統領制が一番最悪の制度、そしてイギリス型は権限の制約がないため、人々の基本的人権を侵害する危険、ここでは、「選挙された独裁」と表現されているが、があるため、これもまた推奨されないとしている。
新興のリベラル・デモクラシーが採用すべきは、やはりドイツや日本が採用している「制約された議院内閣制」であるとしている。
(ブルース・アッカーマン:イェール大学教授)

しかし、日本のスタンスも徐々にイギリス型に近づきつつあると思う。