p43
シュミットの議会制批判
…組織政党が議会内での公開の審議を通じて真の公益を目指して熟慮を重ね、見解の一致に至ることは期待できない。
議会制民主主義の主なプレーヤーである組織政党は、競合する多様な私益を系統的に代表して互いに対峙しつつ、密室での取引を通じてその場限りの妥協を実現するにとどまる。
シュミットによれば、いまや「議会制度は、結局のところ、諸党派と経済的利害関係者の支配のための性悪な外装になって」いる。その結果、国家と社会との区別は希薄化し、国家は社会生活のあらゆる局面への介入とあらゆる私益保護とを要求される「全体国家」へと堕落している。ここでいう「全体国家」とは、人民の生活の全体を支配する強力な国家ではなく、「全体化」したがゆえに、社会の種々雑多な要求をすべて顧慮せざるをえない弱々しい国家という意味で用いられる。

以上

現在の日本の金権政治はさらに上記の支配構造を強化しているように思う。

利害の追求と調整が国家の役割となっているわけだが、政治家は、国家を隠れ蓑に好き放題。
メディアの第三の権力の腐敗が、さらに、より硬直化させているように感ずる。