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翻訳家ヴェリッシモさんのブログ

ブラジル文学翻訳家のヴェリッシモです。日々の翻訳作業での思い、気づきなどをつらつらと書いていこうと思っています。

 原稿を書いたり、あるいは翻訳をしたりする際、皆さんはどういった場所でやりますか? 私の場合は秘密基地的書斎があるのですが、どうしてもデスクの上のPCを前にすると、キーボードを打つ指が止まってしまいます。では、どうしているかと言うと、公共交通機関、つまりバスにしろ、電車にしろ、その車内で翻訳をやることが多いです。特にお気に入りなのが、職場の行き帰りに利用する東武東上線の武蔵小杉駅~高坂駅間の普通電車内が最高です(和光市駅で乗り換えはありますが)。往復でおよそ5時間、原書ページにして4ページぐらいは進むのですから、素敵です。もちろん、PCは使いません。メモパッドと愛用のドクターグリップのボールペン(5年以上使っています)で下訳をして、帰宅後、PCに打ち込みます。確かに、二度手間ですが今のところは、この方法が自分には合っているかと思います。


現在、ブラジルの作家エリコ・ヴェリッシモの翻訳を手掛けているのですが、この作家の初期の作品群は登場人物がその作品に限定せず、別の作品にひょっこり顔を出したりします。ハックスリーの“対位法”の拡大バージョンがこのヴェリッシモ作品の特徴の一つと言えます。
 今、“クラリッサ連作”と呼ばれている作品群、『クラリッサ』、『遥かなる調べ』、『陽の当たる場所』、『サガ』の4作品の完訳を目指して頑張っていますが、『陽の当たる場所』の三分の一辺りに差し掛かると、フェルナンダとノエルという人物が登場します。この二人は『十字路』という作品の主要登場人物です。またもや、“交差”しているよ。よって、この『陽の当たる場所』を読むにあたって、先に『十字路』を鑑賞しておかないと、面白さが半減すると思っているわけです。
 ああ、時間を見つけて『十字路』を翻訳しなきゃ。



先の記事で以前、出版した本のデーター化に励んでいると書きましたが、およそ15年前に翻訳したものを再読し、唖然としました。よくこんなチープな日本語で本にしたなあ、と思っている次第なのです。私自身、翻訳の最終段階で最も留意する点は、文章の持つ“リズム”です。よって最低、3回~4回ぐらいは音読して、完成とします。当時も今も、その点に関しては変わりません。しかし、どうでしょう、データー化されたものを再読してみて、全くもってその文章にリズム感、音楽性を感じないのです。もちろん、日本語の処理能力も日々、進化していると思いますが、それにしても15年前の文章の拙さには閉口です。よって、少しばかり手を入れるというレベルではなく、もう一度、最初から見直してからホームページにアップしていきます。その成果を皆さんに実感していただくためにも、プロフィールに貼ってあるホームページへのアクセスも併せて、お願い致します。
 こんにちは。これまで翻訳して、書籍になったものをデーター化して、再編集した上でホームページに掲載しようと企んでいますが、OCRのソフトが余りにもお粗末すぎて困っています。以前、etypistというソフトを使っている時は、それほどストレスを感じなかったのですが、今回のmagicscan、これは日本語の認識率は唖然とするぐらい良くないと思います。
 今は春休みとはいえ、この作業で時間を使うのはまったくもって不本意です。だからといって、手打ちだとノイローゼになってしまいそうです。翻訳家の皆さん、文字のデーター化どうなさっていらっしゃいますか?
 現在、ブラジル文学をコンスタントに手がけている翻訳家は、ここ日本で恐らく、10人にも満たないでしょう。こんな状況ですから、ブラジル文学の普及を目論む私としては、何とも心細い限りです。そこでですが、これまで大学などでポルトガル語を学び、さらに文芸翻訳をやってみたい(始めててみたい)と考えていらっしゃる方、一緒に翻訳をやりませんか。
 基礎レベルの語学運用能力があれば、やり方次第で翻訳レベルへの昇華は可能だと考えています。ただし、語学運用能力以上に必要不可欠なものは、これまで積み上げて来た国語(日本語)能力だと思います。でも、難しいことは抜きにして、「文芸翻訳をやってみたい!」という熱意をお持ちの方、ご連絡ください。一応、私は趣味で大学でポルトガル語の講義を担当しています。ですから、出来る範囲ではありあすが、その言語をブラッシュアップするためのお手伝いは出来ると思います(もちろん、無料で)。
 さあ、私とブラジル文学翻訳を始めましょう!