人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語 -20ページ目

人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

フィレンツェ在住22年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

日本の皆様


おはようございます。





風邪っぴきのまま忙しく過ごしていた一週間を終え、相変わらず風邪を長引かせる。


オランダの長女の元へ行くまでに、体調を回復させるために、

今週はテニスレッスンと、制作以外は外出を控えて備えたのだが。


一週間、仕事がストップするので、オーダー品制作を中心にどんどん進める。


制作中にはつきものの不測の事態に襲われて、

予定通りにことが運ばず、

「ガーン」

と来たものの、


これまた、ここを乗り越えたら成長する!

と、自分に言い聞かせ、


平常心を保ち、



そして解決策を見出した。




これで、今後も、こういうふうに対応すれば良い

ということを学んだ。




しかし、こういう時の心の声というのは、


本当に騒がしく、

どんどんとネガティブな方向へ進んでいくので、


「今日という日を良い日にできるか、考えてもどうしようもないことを引きずってモヤモヤして過ごすか、どちらを選ぶかは私次第!」

と、

自分に問いかける。


大切な一日をモヤモヤして、そして周囲にイライラしてあたったりして過ごしたら、

本当に悲しい。


不測の事態は私事であって、家族には関係のないこと。負の連鎖を周囲に放つことだけは食い止めたかった。


週明けにレーザーロウ付に持って行くことを決めたので、あとはもう考えない!

そう思いながらも、

「うまく行くかな? ダメだったら次の手段は?」

などと

放っておくとまたしても、作品のことに気持ちが引っ張られる。


いかんいかん、


「平静に過ごせたら、一歩成長できるはず。」


と完全切り替えに集中する。


他の作業に取り組み

風邪っぴきなので、合間の休憩もしっかりと取り、


そして主人とオペラに出かけた。





このオペラがすごかったので、この頃には朝起きた不測の事態は、私の頭の中から

すっかり消え去っていた。


こういうオペラに出会えたことも、もしかすると、気持ちを切り替えることに集中して


落ち込みを周囲に撒き散らかさなかったご褒美かもしれない!


などと思う。


オペラ後は主人とアペリティーボをして、

素晴らしかった観劇について語り合う。





そして翌週、不測の事態は。無事解決‼️


やはりクヨクヨして週末を無駄にする必要はなかったわけである。


今という時間をご機嫌に過ごしていけば、こうして全てはうまくいく。


肝に銘じて、瞬間瞬間の自分の気持ちを観察、選択していこう!



フィオル ダ フィオーレ ピアス(小) 925シルバー ブルーアゲート 西洋彫り



今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



Kaoruko Nakashima がフィレンツェで制作しているハンドメイドジュエリーにご興味がおありの方はどうぞこちらをご覧ください。 

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日本の皆様


おはようございます。


なんだか、すごいものを見てしまった!



そんな思いで興奮がまだ体の隅々まで残っている。


今日の夕方主人と共に、ヴェルディのオペラ マクベスをフィレンツェ歌劇場に見に出かける。








実はここのところ風邪っぴきが行きつ戻りつ状態で、少々悪化しそうなところをギリギリまでベッドで過ごして向かったのだが、

薬のせいで眠気がきたらどうしよう!

などということは杞憂に終わるほど、素晴らしいものを見た。


もしかすると、今まであの劇場で見たオペラの中で、一番感動したかもしれない


3時間が瞬く間に過ぎ去る。


映画監督としても有名なマリオ マルトーネが演出を手がけていたので、映像が盛りだくさんだった。

これに関しては、純粋なオペラファンからすると少々難癖がつけられるのかもしれないが、


偽物ふうにデコレーションされた本物の馬も舞台に登場し、馬自体の演技?もあまりにもスマートだったので、一瞬人が入っているのかな?それにしては本物に近すぎるなどと、騙されそうになる。


舞台は現代風にアレンジされていて、マクベスの妻はメッセージを携帯で受け取る。


マクベスの衣装も迷彩色のズボンで、現代の、そうまさに今、パレスチナやウクライナで繰り広げられている戦争を彷彿として、

少し重い気分になった。


そんな最初の印象を覆したのはレディーマクベスの歌声。

歌だけでなく策略家で意地悪な性格を表す演技力も素晴らしく、観衆は一瞬で魅了される。


マクベスのテノールのレベルも高く、序盤から

「ブラボー」


の声が飛んでいるのも珍しかった。




舞台装置もシンプルながら効果的に用いられていた。


過去や隠喩的なシーンの一片を映し出す鏡、王の椅子、魔女たちが持つ樹々が形作る不気味な馬のような馬車のような得体の知れないもの。


想像力を刺激する小道具でいっぱいだった。


全く期待していなかっただけに前半が終わった時点で、私たちは誤算に大喜びだった。


そしてもちろん、観衆も同様の感想のようで、至る所で賞賛の声が聞こえてきた。


幕間に、スプマンテを飲むことにして主人と劇場のバールの列に並び、私は途中でテーブルで待つ。

スプマンテの用意ができたようなので、取りに行こうと席を立つと、


私たちの大切な友人にそっくりな人がいた。


「まさかね?」

と思ってよくよく見ると、奥さんらしい女性もまたそっくりだった。


間違いなく、主人のアメリカ人の親友夫婦だった。

トスカーナ州のコルトーナとシカゴを行き来する彼らとは、年に数回食事ができれば良いというところだが、


ここでも偶然に出くわして、観劇の喜びが一層増した。


このオペラに関する彼らの評価もやはり

「期待以上に素晴らしい!」

というものだった。




さて、後半でガクッと落胆させられるか否か?

そんな期待と不安がないまぜの気持ちで、席に戻ると、


子供と観劇に来ていたスペイン人男性が、真ん中の席から、われわれの座る端っこの席と変わってほしいということだった。


主人が取ってくれた席は、プラテアの前方席。しかし通路側の角度のつく端の席だったのが、

前方ど真ん中の特等席へとラッキーにも移動できた。


後半部分で印象的だったのは、

パレスチナの廃墟と化した街並みが、大きなスクリーンに映し出され、舞台には色とりどりの服を着た女性たちのコーラス隊が群衆となって歌いながら歩を進める様子。


この時、会場はしーんと静かな悲しみに包まれた。


数日前にハマスが人質を解放することに同意し停戦へ向けて動き出した

という状況になり、


現実世界の戦争は、ほんの少し良い方向に向かいつつあるが、

オペラで用いられていた映像も現実のものだったので、改めて尋常でない被害を皆が大スクリーンで目の当たりにした。


迷彩服の衣装を初幕で見た時に、感じた心のざわつきは、やはり間違っていなかった。


この戦争のことを思い出すと、気持ちが落ち込む。

嫌なこと、気が塞ぐことからは目を背けたいという人も多いかもしれない。


作品に反戦のメッセージを込め、


平和な世界を求めて、人々に伝える


ということを自分の仕事の中で目指している芸術家の役割というものに

私は大きく共感した。



またこの観劇で感じたことは、


まるでスポーツチームのように、それぞれがそれぞれのポジションで

最大の力を発揮して、勝利を獲得するような雰囲気がそこに存在していたということ。


ソプラノ、テノール、舞台芸術、オケ、コーラス、振付家、そして監督、指揮者と

それぞれが最高のものを出したことによって、


会場は熱狂が渦のように躍動していた。










このような芸術の中に政治的な言動をこめることを嫌う人もあるため、


大きな

ブラボー!

の声に反対するような、

ブーイングも確かにあったように思う。


しかし賞賛の声が大き過ぎて、ブーイングは蚊のなく声ほどにしか聞こえなかった。


ブーイングをした人々は

政治的立場で気に入らなかった人、

或いは、純粋にオペラとして納得しなかった人、

のどちらかだろうと思う。


いずれにせよ、このオペラに関わった人々は、

世界平和のために働いた!と胸を張って言えるだろう。


あるいは、そんな大それたことではなく、平和への小さな貢献ができたと思っているかもしれない。


この人間臭さが素晴らしい!


体温の低いアジア人?いやいや日本人からすると

羨ましくなるほど情熱的な働き方をする彼らに今日も羨望の眼差しを送ってしまった私であった。




ギルランダ 短冊ペンダント 925シルバー ジルコニア 西洋彫り


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日本の皆様


おはようございます。


細胞検査の翌日、しゃかりきテニスをした私は、

耳の下の腫瘍が腫れて、少々痛みも出てきて、


自分の素行に少々後悔していた。


主人や娘がこの二週間ほど立て続けに風邪気味だったのだが、なんだかそれまでもらってしまったようで、

覇気のない日々となる。


身体の声を聞くのが第一!と、

制作のスピードを落として、しっかりと眠る時間を増やす。


しかし、夕方にはヤン スンと約束をしていたので、重い身体に鞭打って、気持ちも上げて待ち合わせ場所へ向かう。




フィレンツェで高級ブランドがひしめく通り、トルナボーニ通り。


待ち合わせはヴァン クリーフの前だったのだが、彼女は店のどまん前が嫌だったみたいで、

フェラガモの前で待っていて電話をかけてきたのだった。


二人で落ち合って、ヴァン クリーフ店内へと向かう。



ヤン スンから数週間前に

「ヴァン クリーフの招待状があるけれど、興味ある?」


と尋ねられた。


ハイブランドの作品を間近で見られるのは嬉しいので、もちろん二つ返事で、行きたい旨を伝える。


恐らく、彫金関係者は皆同じ気持ちだろうと思う。


普通にお店を見に行っても良いのだろうが、買う気もないのに足を運ぶのも気が引ける。


とは言え、留学当初は、ハイブランドジュエリーを見るためだけに、ブランド店に足を運んでいたことを思い出す。


今回も店舗に行くことは同じだが、

一部の招待客だけのイベントのようで、店内にはシャンパンなどの飲み物や、1センチくらいの小さな小さなフィンガーフードをボーイがサーブし、


バイオリン、ヴィオラ、チェロによる生演奏をバックミュージックに、ヴァン クリーフジュエリーを身につけた淑女たちが明るいショーケースの間を、優雅に行き来する。


予想通りの雰囲気だったが、

ヤン スンは

「こういうの、実は苦手で招待状来るけれど、ほとんど行かないんだ。」

と。


彼女のいでたちはいつも通りカジュアル。

ジーンズにジャケットだった。


店内は皆が知り合いのような感じで、至る所で挨拶を交わす人々の光景を目にする。

例に漏れず彼女も挨拶の輪に加わる。


フィレンツェ社交界の様子を、興味深く観察する。


そして、ヴァン クリーフを象徴する可愛らしいアルハンブラシリーズや、エメラルドとダイヤがふんだんに用いられたネックレスなど、久しぶりにハイジュエリーをたっぷりと見て、気分が高揚してくる。


写真を撮るのは憚られる雰囲気だったので、おとなしくしていたが、


作品を説明してくれた女性が、写真撮っても良いと一言、言ってくれたので、

数枚だけおさめる。




1920年代の作品は、職人の技が散りばめられており、上のピンク色のエナメルとアメジストが入ったシガーケースは中の細工も見事で、口紅なども入るようになっていた。





こちらはアジアンテイストのデザイン。





蝶のシリーズも可愛らしかった。


ゴージャスな作品は写真におさめず、ヤン スンとこれが好き、これはイマイチなど好き勝手に批評しながら作品を見る。


「もう一杯飲んだら?」

と言われつつも、ただ酒に気が引けて、ここではこれでおしまい。


そして帰り際にお土産をいただく。


箱を開けただけで匂いが漂う芳香高いキャャンドルだった。





久しぶりにこういう場所に身を置いて、師匠アレッサンドロに思いを馳せる。


彼もイベントをする時に、お客様へのお土産はチョコレートにするかなどと、言っていたな?


資金源が芳醇なハイブランドではないから、ない知恵を絞りながら考えてはいたが、


お金持ち層に支えられてジュエリー業というのは成り立っているのだから、彼らの心をくすぐる作戦が必要なのだ。




こういう一家の一員でありながら、社交界的な雰囲気を苦手とするヤン スン。


毎週火曜日は、カッシーネ公園の朝市で、待ち合わせして安くて新鮮な野菜果物を買う。


ここのところテニスで知り合った仲間たちとこうして色々な場所にへ繰り出して、楽しんでいる。


ヴァン クリーフを後にして、

「私が一杯奢るよ!」

と言って、

サントスピリト界隈に足をのばすと


ここでもまたヤン スンの昔の知り合いのイギリス人のご夫人とそのパートナーのイタリア人と出くわし、

皆で飲むことになる。


年配の男性は絵描きだということだったが、

ちょっとマストロヤンニ風で、装いもばっちりだったから、売れない絵描きではなさそうだった。


皆で一杯だけ飲んで、レストランや家へと、それぞれが次の予定に向かっていった。


今日はいつもと違った夕べを楽しむことができ、満足だった。


今月後半にオランダの長女のもとに行く私は、久しぶりに英語を学び直し始めているのだが、

この日、ヤン スンの友人のアメリカ人やイギリス人女性と話す機会がありながら、


差し障りなく話すだけで、積極的になれなかったのが、

少々残念。


とは言え、準備し始めたり、やりたいことにフォーカスすると

こうして機会は向こうからやって来るというのは、


なんとも不思議なことである。


ご縁に感謝しつつ、いただいた周囲の人々の愛を、私も自分の周りに広げて行きたい。


今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。



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