二ヶ月ぶりにドゥオモの下を通る | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

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フィレンツェ在住22年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

2ヶ月ぶりに自転車を倉庫から引っ張り出す。

彫金の素材屋が営業を開始し始めているのを、確認できたので、

朝9時にそちらへ向かうことに。

細くボコボコの石畳で覆われたフィレンツェの道は、車が多いと、自転車ではかなり走りにくいのだが、

車の数もまばら。

しかし、歩いている人の姿を見るのは、心踊る。



一ヶ月前、だあれもいない道を買い物目的に歩いていた時、
前はもちろんのこと、後ろを振り返っても、人は見えず、
なんだか世界にたった一人、取り残されたような気分になった。


ペストの時の惨状も、スペイン風邪の時も、全て眼下に見下ろしてたたずんでいたドゥオモの横を懐かしく通り過ぎ、




ベッキォ橋を渡る。

ロジウムメッキをお願いしているジジさんの工房の前の扉は、まだ開いていなかった。

しかし、素材屋Lampaは営業していた。

入り口で除菌ジェルを手につけ、そして手ぶくろをつけて中に入る。

顔なじみの店員さんたちの、元気な姿にほっとする。

そして他愛のない近況を伝え合うおしゃべりも、なんだかみずみずしく感じる。
これまたこの二ヶ月の間に足りていなかったもの。


必要なチェーンやパーツを買い、

そして今回の家作業で、必要になった工具も二つほど購入する。

後、どれくらい家作業が続くかは分からないが、お店に行ける日まで、こつこつとできることを続けたいので、買っておくことにする。

奥行きのあるお店ではあるが、お客は2名までしか入れないという。

営業を再開して二日目だったので、人はちらほらということで、外に並ぶ必要はなかったが、

これから皆が来るようになるとすれば、
しばらくは、スーパーや郵便局のように外に並んで待つ覚悟がいるかもしれない。


久々に風をきって走るフィレンツェの街は、
格別だった。




この美しい街に観光客が戻ってくる日は、
近くはないだろうが、

それでも市民の人々が、この建物と景色を愛でることができるようになっただけでも

ありがたいことだと青い空に向かって、お礼を言った。

ほんの少しずつ喜びが広がっていく。

ゆっくりとそれらを味わっていきたい。


フィオル ダ フィオーレ 2wsy ペンダント 925シルバー 琥珀 ムーンストーン 西洋彫り

今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
 
 
 
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