人生初。真剣にコーヒーを味わう体験。 | しなやかに美しく生きる -Angelic Life-

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“幸せな日々をかろやかに過ごす” が、私のテーマ。
誰もが光り輝く天使のような存在です。

 

 

以前から興味を引かれていた上野の北山珈琲店に行ってきました。

 

 

 

 

深煎りの熟成コーヒーを飲めるお店。

 

濃いコーヒーも深煎りも好きだし。

 

 

 

でもちょっとビビる貼り紙が有ります。

 

おしゃべり禁止

ケイタイ禁止

制限時間30分

 

これを知ると益々行ってみたくなり。

 

 

 

 

「こりゃ、イベントだ」

 

東京都美術館のティツィアーノとヴェネツィア派展の帰りに寄りました。

 

 

 

 

 

お休みかと思ったほど、ひっそり感がありました。

 

 

確かに貼り紙が有って、少し躊躇したけれど

 

ドアを開け、やわらかめに

 

「こんにちわ~」と言ってみました。

 

 

 

「貼り紙を読んでいただけましたか?」

「はい」

「おしゃべり禁止ですけど」

と確認されました。

 

「はい」

 

美味しいコーヒーを味わってもらいたいという

真剣な思いからなのでしょう。

 

「お好きな席へどうぞ」

 

お客さんはゼロ。

 

男性は温和そうなとてもまじめそうな方でした。

 

 

「楽しみにして来たんです」

と、友人。

「あ、そうですか。ありがとうございます」

 

 

 

 

最も安いのは1年熟成のコーヒーで980円

最も高いのが3500円だったかな。

 

 

 

 

私は酸味の強いコーヒーは好みでは無いので、

「酸味の弱いコーヒーがいいんですけど」

と聞くと

「うちのは全て酸味は弱いです」

とのお答え。

 

 

友人は3年熟成のキリマンジャロ

私は3年熟成のマンデリンを頼みました。

 

 

オーダーした直後だったでしょうか、

ドアが開いてススッともう一人男性がカウンターの中へ。

 

店主さんなのでしょう。

 

どこに居たんだろう?

どこで見張ってたんだろう?

外から入って来たよねぇ...

 

と、店を出てから友人と爆笑。

 

 

 

 

カウンターに入るとすぐさま手を洗い、作業開始。

 

「キリマンジャロとマンデリンです」

「はい」

 

私達も話しませんが、

お二人も最低限の事しか話しません。

 

接客担当は息子さんかもしれません。

会話は敬語でした。

 

 

 

私達年季が入ったお店。

麻袋に入ったコーヒーが積まれ

大きな焙煎器も有りました。

 

まるごと焙煎されたような店内。

 

 

 

珈琲を入れる作業は一斉見えません。

 

 

息子さんらしき方の作業は私の席からは見えました。

 

珈琲碗皿を二組お湯にくぐらせて待機。

 

 

※食器メーカーによっては

コーヒー・紅茶兼用の碗皿を作っている所も有り

兼用の碗皿を使うお店もあります。

私はコーヒーはコーヒー碗皿、紅茶は紅茶碗皿に淹れて欲しい人なのです。

さすがにこのお店は珈琲碗皿でした。

 

 

珈琲を入れる作業をじっと見つつ

頃合いを見計らって冷凍庫からカチ割り氷を取り出し、小さなお皿へ。

さらにタイミングをみて冷蔵庫からクリームを出して氷の乗ったお皿に置きます。

 

 

お砂糖は粗目のものと二種類。

 

お砂糖を持ってきてくださった時に

「お砂糖はこちらでよろしいでしょうか」と

テーブルに置く位置を確認してくださるほど丁寧な接客でした。

 

 

 

まずキリマンジャロが運ばれてきました。

 

「一杯ずつ淹れていますので、お先にお召し上がりください」

 

 

少し待つと私のマンデリンがやってきました。

 

 

 

 

席にはおススメの飲み方を書いた紙があります。

 

まずは何も入れずに一口。

そのまま飲んでも良いのですが

お砂糖を入れたコーヒーもお楽しみください。

クリームはかき混ぜず、浮かしてお飲みください。

 

 

 

ハイ、仰せの通りにいたします!

 

 

 

香りを楽しんでから一口ずつ味わいます。

 

私が頂いたマンデリンは、苦味、深み、コクが有り、甘味も少し感じられて美味しかったです。

 

お砂糖を少し入れると味が変わりました。

 

どう形容したら良いのかしら...

お砂糖を少し入れるた方がスッキリしたような。

 

そして最後にクリームを入れて。

また違ったコクが出ます。

友人はお菓子の様になったと表現していました。

確かにそうかも。

 

 

 

こんなに味覚に集中して珈琲を味わったのは初めてです。

 

「紅茶は葉っぱ、コーヒーは豆だとよく分かった」

と友人は言っていました。

 

 

 

この後、別のお店で紅茶を飲み、

苦味と渋みの違いがはっきりと認識できました。

 

 

 

 

 

意識を集中して真剣に味わうという事が滅多にありません。

 

日ごろから何かを食べたり飲んだりする時に

こうしてじっくり味わうことは大切だと思います。

 

味わって感じる。

感覚を磨くことにもなると思います。

 

美味しいなと思えば、有り難いなとも思います。

 

真剣に味わう

というのは、幸せな時間です。

 

 

 

こんなに風に積極的に

「味わおう」

と思えるものが少ないのも事実。

 

ちょっと残念ですが。

 

 

 

 

おしゃべりしない

というのは

ちょっと我慢が必要です。

 

私達がいる時、

「わ~、いい匂い」

と言いながら入ってきた女性三人組は

「貼り紙を読んで頂けましたか。おしゃべり禁止ですけど」

と言われて退散して行きました。

 

 

 

居ると分かるのですが

高飛車な感じではなく、

お互いが気持ち良く居るために先に確認しておこう

という配慮のようです。

 

 

出る時にに少しお店の方と会話を交わすと

マスターらしき方も優しい笑顔で、温和そうな方でした。

 

 

 

 

他のコーヒーも飲んでみたいという気になるお店。

 

今日いただいた味を忘れないうちに

またこのお店に来たいね、

という話になりました。

 

 

 


貼り紙のインパクトが強くて緊張しましたけど

要らぬ緊張でした。

 

 

 

あ~、面白かった。

 

 

 

珈琲好きの方はぜひ行ってみてください。