生で見たら認識が変わった画家 ペルジーノ | しなやかに美しく生きる -Angelic Life-

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今回のイタリア・フランス旅行で

画家ペルジーノがキュキュッと入り込んできた。

 

そもそもペルージャに行ったのは

ピエロ・デッラ・フランチャスカの絵を見るため。

 

 

サンセポルクロという町の市立美術館がピエロのフレスコを多く持っている。

 

その町がペルージャから日帰りで行ける事と

ペルージャのウンブリア美術館にもピエロの作品が有る。

 

それが目的でペルージャに滞在した。

 

 

 

ペルージャの街を見る前にサンセポルクロへ。

 

サンセポルクロは小さな町なので、見るのに時間はかからない。

 

市立美術館に行く途中で教会に寄ることにした。

 

一枚の大きな絵に惹き付けられた。

 

キャプションが付いていて読むとPeruginoと書いてある。

 

 

 

 

へぇ、素敵。

 

ペルジーノってこんな感じだったかな。

 

 

 

サンセポルクロに彼の大作が有ると思っていなかったので、新鮮な出会いだった。

 

『ペルジーノ』は本名ではなく、ペルージャの人だからニックネームでペルジーノ。

ペルージャで生まれたのではないが、ペルージャを本拠地にして活躍したから。

 

 

バチカンにも作品が有るほどの人。

イタリア中から引っ張りだこだったらしい。

 

 

だが、これまでの私は失礼ながらペルジーノの絵にそれほど魅力を感じたことが無かった。

 

滞在したホテルにはペルジーノの絵の複製が多く飾られ、

私の部屋にも掛けられていた。

 

 

私の中では、ホテルの部屋に有った↑これがいかにもペルジーノ。

 

イタリア人はこんなに顔の横幅が広くないと思うけど

目の横幅も狭く描いてしまうから

なんだかバランスが不自然。

 

丸顔にチョコンと目がついて薄眉でまたチョコンと口が付いている。

 

自分が丸顔だからそんなに丸顔が好きなのか...

 

くらいに思っていた。

 

 

 

 

翌日、ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵を観るために

国立ウンブリア美術館へ。

 

 

ここには、ペルジーノの作品が有り過ぎるほど有る。

 

 

ペルジーノの作品はまとまって展示されている。

 

その初めの頃に観た小作品が受胎告知。

 

 

 

受胎告知だというのに ”いかにも神秘的” に表現しようとはしていない。

どこかさらりとしていて重々しくない。

マリアはしなやかで軽やかで美しい娘さん。

上部の建築空間も奥行も建築の開口部も大きく取ることで

小品ながら広がりを感じることも軽やかさに繋がるのだろうか。

マリアとガブリエルの優しい表現と建造物の固さの対比も印象的だ。

 

この作品でまた、ペルジーノのイメージが変わった。

 

 

 

 

 

ここで見たペルジーノ作品の画像を幾つか載せておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このすぐ後、ラファエロとペルジーノのフレスコ画を観に行った。

 

 

ラファエロの三位一体(しかもフレスコ画)が有ると知って見に行こうと思っていた。

それがペルジーノとの共作であることは現地に行ってから知った。

 

 

サンセヴェッロ礼拝堂。

 

この絵のお部屋だけで入場料を支払う。

それほどのお宝という事だ。

 

撮影禁止の為、ここで購入したラファエロの本をスキャン。↓

 

 

元々外壁だったらしく損傷が激しいようです。

修復はされていますが。

 

 

上はラファエロ22才の時の作品で1505年制作。

 

下半分はペルジーノ73才の時の作品で1521年制作。

ペルジーノが亡くなる2年前。

 

ラファエロは1520年に亡くなっているので

ラファエロが亡くなってから下にペルジーノが描いたことになる。

 

37才で自分よりも先に亡くなってしまった、天才的な自分の弟子の絵の下に描く。

年齢のいったペルジーノはどんな気持だっただろうか。

 

 

 

この作品をきっかけに二人の関係が気になり出した。

 

ペルジーノの魅力を理解できていなかった私はペルジーノがラファエロの師だと認めたくないというくらいに思っていた。

(失礼な話です)

 

 

この後、イタリアのブレア美術館でラファエロの比較的初期の作品を観たり

ローマのボルゲーゼ美術館でこの二人の作品を観て

二人の関係を感じずには居られなかった。

 

 

ボルゲーゼ美術館の作品についてはまた改めて。

 

 

 

 

現地に行って見る。

 

それまでとは感じ方や受け取り方が変わってくるものだとつくづく思う。