『私のための私のまとめ』(その9 | EXEDAWN

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ある統合失調病患者の資料


ここで私の心は




周辺の、いえ
街のすべての人間の
非常に強い殺意に近い
強烈な悪意を肌で感じ




幼少期に3回見た



自分が呪われ
襲われる幻覚を
思い出し



その時の呪いの言葉




お前は生まれてはいけなかった



お前は汚れている



お前は悪い



お前は在ってはならない



呪われろ



死ね!




という言葉が
頭の中に響き渡り




隠れたくなった私は



マンションの自分の部屋に



逃げ込むと



ドアにカギをかけ
チェーンをかけると




そのまま布団の中に
飛び込むように入ると




かけ布団を頭からかぶり
震えていました




頭の中には呪いの言葉が
響き続け




一睡もできないまま




部屋から出る気力も
失って




まったく眠れずに




時々身体の求めに
耐えきれず口にする




少し飲むだけでも
苦痛に感じる
水だけを飲んで




その後の2日ほどを




過ごしました





2日ほど経って




それまでの3年間に
やっとのことで
耐えてきた



とても強い孤独感が




怒涛のように




私に襲いかかって来て




この世界のすべてが




無関心



無理解



悪意



殺意




これらの闇で充満していて




私という存在のすべてを



完全に否定し



消滅させようとしている




それを「理解」しきった




私は




ついに




私の全存在がはじけ飛ぶほどの




激昂




を噴き上げ






両手足を力の限り振り回し





絶叫を挙げ続け





壁を殴り続け蹴り続け





壁に頭を打ち付け






とても手が付けられない状態になり






ここで記憶が途切れます






あとで聞いた話によると



騒ぎを聞き付けた



マンションの住人から



通報を受けた大家が



両親に連絡を入れ






その後マンションの



私の部屋の中にいる



両親の前に



私は呆然と立ちつくしている



自分の存在に気づきましたが





私にはもう生きる気力は





一滴も残っていませんでした





目の前の両親たちは



なにか言っていましたが



理解することはできなくなっていて





両親たちは部屋の中のものを



そのままにして



私は生家の薬局に



連れ戻されて行きました





その後のマンションの
ことについては



なんとなくしか
覚えていませんが




両親の話がたしかなら



両親は各方面に謝罪したあと



マンションの私の部屋の荷物を



生家の薬局に持ち帰り



マンションを引き払ったそうです





ただ、私にとっては



マンションの私の部屋中の荷物は




あの臭い腐った魚の腐汁が



付いている気がしてならず




部屋にあった荷物を



すべて棄ててくれるよう



両親にはげしく取り乱して



訴えましたが



まったく理解してもらえず





私は





地元を飛び出す原因になった



悪臭を放つ家で絶叫する兄が



狂ったようにくり返していた



あのとても耐えられなかった





兄と同じ




「洗浄強迫病」




になってしまったのです





このとき私は22才でした。





その後の生活については



記憶が破損していて





時間的順序の不明な



断片的な記憶が



「ひとつ」だけ



それだけが



取り残されています。





それらは、いつのころかは



思い出せませんが





その「ひとつ」の記憶は、





精神に大きな痛手を受けて



生家の薬局で引きこもり



呆然と暮らす私が



家族の強い要望で



働きはじめていた



ときに発生した





本当に大きすぎる
不幸であるために



一行で済ませますが




"どこかで働いている私の
勤務先店舗の自動ドア前に
ドアを塞いで捨てられていた
盗難自転車をどけたことで
指紋が残ったことによる"




「自転車盗難冤罪事件」





それに巻き込まれてしまい




それからの私の周りでは






周りに人の姿が見えない




そんなときも




周りに人の気配を感じ




絶えず誰かに見られている




絶えず誰かに聞かれている




不審な人物がいる気がする




そういった不安な感覚を




覚えることがどんどん




増えて行き





そういったことを



被害妄想だと



思いこもうとする



私の生家の薬局の



前の道路に





そこが駅前通りの



駐車禁止の場所にも関わらず



窓のすべてに遮光フィルムが



貼り付けられた



不審な自動車が



長時間駐車されているのを



その後何度となく



見てしまった私は





警察に監視と盗聴を



されていると確信し





それが





「世界全体の私への悪意」





そのものだと強く感じ





それに心を打ち砕かれ





すぐに外界との接触を一切絶った




完全な引きこもり生活を始めました。






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