鹸化(けんか、 saponification)とは、

エステルアルカリを加えて酸のとアルコールに加水分解する化学反応である。

特に、油脂脂肪)を水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどの塩基を使ってグリセリンと高級脂肪酸塩(カルボン酸塩石鹸)に加水分解することを指す。

R-COOCH2CH(OOC-R)CH2OOC-R + 3 NaOH → C3H5(OH)3 + 3 R-COO-Na
R=適当なアルキル基
 
反応機構
 

まず、エステルのカルボニル炭素に水酸化物イオンが付加して四面体型中間体を与える。

Saponification part I

アルコキシドアニオンが遊離しながら、カルボン酸が生じる。

Saponification part II

カルボン酸は塩基にプロトンを奪われ、速やかにカルボキシラートアニオンとなる。

saponification part III
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上の式はウィキペディアを参考にしています。
簡単に言うと、鹸化は、オイルと苛性ソーダが反応して、脂肪酸ナトリウム(石鹸)と
グリセリン(保湿成分)に変化する反応である。
 
鹸化価
 

けん化価とは、「油脂やワックス1gを石鹸にするのに必要な水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)や水酸化カリウム(苛性カリ)の量(mg)」のことです。けん化とは、油脂やワックスなどのエステルを、水酸化カリウムなどのアルカリを使ってアルコールと酸の塩に加水分解することをいいます。その時にアルカリがどれくらいの量必要なのか?という数値がけん化価です。けん化価は特に、手作りで石鹸を作る時にとても大切な数値になります。水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は固形石鹸を作る場合、水酸化カリウム(苛性カリ)は液体せっけんを作る場合に使われます。ここではけん化価の解説と、各油脂のけん化価を紹介していきます。

 

#オイル1gに対する鹸化値です。

植物油脂 鹸化価(NaOH) 鹸化価(KOH)
アボカドオイル 0.1376 0.1927
亜麻仁油|フラックスシードオイル 0.1375 0.1925
アルガンオイル 0.1376 0.1927
あんず油|アプリコットカーネルオイル 0.137 0.1918
アンディローバオイル 0.1392 0.1949
インカインチオイル 0.1374 0.1924
ウクウババター 0.1682 0.2355
えごま油|しそ油|ペリラオイル 0.1377 0.1928
オリーブオイル 0.1374 0.1924
オレンジシードオイル 0.1392 0.1949
カシューナッツオイル 0.1358 0.1901
カメリアオイル 0.1381 0.1934
カメリナオイル 0.1346 0.1885
カレンデュラシードオイル 0.1378 0.1929
キウイシードオイル 0.1377 0.1927
キューカンバーシードオイル|キュウリ油 0.1376 0.1927
桐油 0.1378 0.1929
グァバシードオイル 0.1373 0.1923
ククイナッツオイル 0.1374 0.1923
クプアスバター 0.1371 0.1919
クランベリーシードオイル 0.1376 0.1926
クルミ油|ウォールナッツオイル 0.1373 0.1922
グレープシードオイル|ブドウ種子油 0.1373 0.1922
グレープフルーツシードオイル 0.1462 0.2047
ケシ油|ポピーシードオイル 0.1373 0.1927
コクムバター 0.1359 0.1902
ココアバター|カカオバター 0.1388 0.1943
ココナッツオイル|ヤシ油 0.178 0.2492
ごま油|セサミオイル 0.1373 0.1922
小麦胚芽油|ウィートジャムオイル 0.1368 0.1916
米油|米ぬか油|ライスブランオイル 0.1385 0.1939
コーン油|トウモロコシ油 0.1376 0.1926
ザクロオイル|ポメグラネイトシードオイル 0.1375 0.1925
サボテンオイル|ウチワサボテンオイル 0.1377 0.1927
シアバター 0.1368 0.1915
シーバックソーンオイル(果実) 0.1449 0.2029
シーバックソーンオイル(コンプリート) 0.1419 0.1987
シーバックソーンオイル(種) 0.1378 0.193
シシンブリウムオイル 0.1329 0.186
スイカ油|ウォーターメロンシードオイル 0.1377 0.1927
スイートーモンドオイル 0.1368 0.1915
ストロベリーシードオイル|イチゴ油 0.1369 0.1917
大豆油|ソヤオイル 0.1385 0.194
タマヌオイル 0.1407 0.197
チアシードオイル 0.1379 0.1931
チェリーカーネルオイル 0.1367 0.1914
月見草オイル|イブニングプリムローズオイル 0.1375 0.1925
椿油 0.1367 0.1914
トマトシードオイル 0.1383 0.1936
菜種油|レイプシードオイル 0.1359 0.1903
ナツメグバター|ニクズク油 0.1641 0.2297
ニームオイル 0.1371 0.192
ニガウリ油 0.1372 0.1921
バオバブオイル 0.1389 0.1944
パッションフルーツシードオイル 0.1375 0.1925
ハトムギ油|ヨクイニン油 0.1375 0.1925
パパイアシードオイル 0.1376 0.1926
ババスオイル 0.1736 0.2431
パーム油|パームオイル 0.1418 0.1986
パーム核油|パームカーネルオイル 0.1716 0.2403
パンプキンシードオイル 0.1373 0.1922
ピーチカーネルオイル 0.1366 0.1912
ピーナッツオイル|落花生油 0.1357 0.190
ピスタチオオイル 0.1382 0.1934
ひまし油|カスターオイル 0.1299 0.1818
ひまわり油(高オレイン型)|サンフラワーオイル 0.136 0.1903
ひまわり油(高リノール型)|サンフラワーオイル 0.1371 0.1919
ブラジルナッツオイル 0.1385 0.1939
ブラックカラントオイル|カシスオイル 0.1376 0.1927
ブラッククミンシードオイル 0.1379 0.1931
プルーンシードオイル|プラムカーネルオイル 0.1367 0.1914
ヘーゼルナッツオイル 0.1365 0.1911
ペカンナッツオイル 0.137 0.1917
紅花油(高オレイン型)|サフラワーオイル 0.1369 0.1916
紅花油(高リノール型)|サフラワーオイル 0.1372 0.1921
ヘンプシードオイル 0.1371 0.1919
ホホバオイル 0.652 0.913
ボラージオイル 0.136 0.1904
マカダミアナッツオイル 0.1393 0.195
松の実油|パインシードオイル 0.1373 0.1922
マスタードオイル 0.1248 0.174.7
マルラオイル 0.1369 0.1917
マンゴーバター 0.1368 0.1915
ミルクシスルオイル 0.1377 0.1928
ムルムルバター 0.1676 0.2346
メドウフォームオイル 0.1214 0.170
綿実油|コットンシードオイル 0.1395 0.1953
モリンガオイル 0.1333 0.1866
柚子油|ゆずオイル 0.1384 0.1938
ライムシードオイル 0.140 0.196
ラズベリーシードオイル 0.1371 0.192
りんご油|アップルシードオイル 0.137 0.1917
レモンオイル 0.1391 0.1947
ローズヒップオイル 0.1372 0.192

 

けん化価は、同じ油脂でも抽出方法や原材料の地域、商品やロットによっても変化するのでご注意ください。

 

 

 

オイルの鹸化価を手作り石鹸のレシピへ応用

ここからは、調べたけん化価をもとに、実際の手作り石鹸のレシピに応用させていく方法です。手作り石鹸には数種類の油脂を混ぜるので、各油脂のけん化価と使う量からNaOH量を算出します。

手元にある油脂のけん化価が分かったら、実際に石鹸作りに応用させます。例えば、オリーブオイル160g・ココナッツオイル100g・パームオイル80gを使って固形石鹸を作るとします。この場合に必要なNaOHの量を計算します。

 

 

複数のオイルを混ぜる手作り石鹸のけん化価

 

※ここでのけん化価(NaOH)は、21.6g + 18.4g + 11.28g = 51.28g

・オリーブ;  0.135x160g = 21.6g

・ココナッツ; 0.184x100g = 18.4g

・パーム; 0.141 x80g = 11.28g

 

けん化率を下げる

けん化率とは、どの程度石鹸にするかの割合です。けん化率100%は、完全に油脂が石鹸になっているという意味です。市販の商品は100%で作られていますが、通常手作り石鹸を作る時は、安全面も考え、少しディスカウントして(=けん化率を下げて)計算します。そうすることで、油脂分が石鹸の中に残り、肌にうるおいを持たせることにもつながります。

鹸化率100% NaOHやKOHが残っている可能性があるのでお勧めしません。 鹸化率90-95%  さっぱりした使い心地の石鹸 鹸化率85-90%  しっとりした使い心地の石鹸 鹸化率85%未満 べとべとしたり、柔らかくなりすぎてしまいます。

 

ディスカウント値を7%にするとけん化価(NaOH)は、51.28g x 0.93 = 47.69g

従って、実際に石鹸化を行う場合には苛性ソーダ(NaOH)は47.69gを使う。

 

 

最後にpH値をチェック

けん化率をディスカウントすれば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが石鹸内に残っている可能性は少ないですが、石鹸が出来上がったあとに気になったら、pH値をチェックして確認することができます。pH試験紙というものを使います。

アルカリ性に傾きすぎていたら、肌に使用する石鹸としてあまり向いていません。刺激が強すぎてしまいます。手作り石鹸のpH値は弱アルカリ性の7~10位が理想です。肌のpH値は5.5位の弱酸性なので、それに近いほど刺激が少ないものになります。あまり低すぎても、今度は洗浄力が弱まってしまいます。JIS規格では石鹸のpH値は9~11です。そのため、実際に売られている商品はよりさっぱりしていて、手作りの石鹸はよりしっとり刺激が少ないものになります。