戦争前のイラク・思い出写真帖(7) | 長いブログ (旧:ぶらり北朝鮮)

長いブログ (旧:ぶらり北朝鮮)

以前は北朝鮮旅行記でしたがネタ切れで変更。
その名のとおり、記事一本がやたら長いです(笑)
書くのも、読むのもしんどい。
いや、わかってんですけどね…なんかこうなっちゃう。
お疲れの方は何度かに分けてお読みください。
その方がアクセス数上げられr@うxぁp…

 

イラクの朝も3回め。

けっこう馴染んできましたね。

 

衝撃のクオリティに戦慄したホテルを

(夜のトイレにネズミも出ましたw)

とっとと出発します。

 

その前に外観を1枚。

うん、なんかこう

古い洋画に出てきそうな雰囲気。

映画で見るにはステキなイメージですが

実際泊まるとなかなか「ハイレベル」です…w

 

この2日間で

かなりイラク南部まで下ってきました。

この勢い(?)でウル遺跡まで行って

南部の締めといたしましょう。

 

ナーシリーヤの街には

神殿のような大統領の巨大肖像画。

もう神サマのレベルなんですかね。

 

バスはユーフラテス川を渡ります。

「文明の母」たる川ですが

イメージほどキレイではありません…

 

地方都市ではミニバスが主役です。

行先表示もないし、

外国人には利用しづらそうですね。

 

原野の向こうで一直線に延びるのは

なんと石油のパイプライン。

中東を象徴する風景ですが

こんなに無防備でむき出しとは。

よく考えるとなんかコワいなぁ。

ま、原油はすぐには燃えないらしいですが。

 

そしてまたもや放牧ラクダの大移動。

これだけ群れると壮観です。

 

30分ほど走り、

目的のウル遺跡に到着。

昨日立ち寄った「ウルク」と似ていて紛らわしいな。

順序としては

ウルク王朝のあとウル王朝が成立しています。

あ、ちなみに「ウルク」は

現在の国名「イラク」の語源とも言われていますよ。

 

砂漠の中にこつ然と現れる巨大なジックラト。

これまでやたらと風化の激しい遺跡ばかりだったので

こんなにしっかりしたものを見ると新鮮です。

 

これだけキレイに残っているんですが

実はジックラトと確認できるものでは

現存する最古のものなんだそう。

およそ4000年前というから驚きですね。

堂々とした威容を今も保っています。

高さは約20m。近づくと圧倒されますよ。

でも建造当時はもっと高かったらしい。

てっぺんには月神ナンナが祀られていたそうです。

 

で、そんな貴重な遺跡ですが

ここもやはり遠慮なくガンガン登ります。

「いいのかな」などという罪悪感は

皆さんもうすでにどこかへ置き去り(笑)

それにしても4000年前の階段とは思えませんね。

近所のさびれたお寺の石段の方が荒れてるかもw

 

乗ってきたバスが小さく見える。

かなりの高さを実感します。

ここでは、これより左側が撮影禁止でした。

「軍事施設がある」という理由でしたが

なんにも見えなかったけどなぁ。

 

後方では発掘作業をしていました。

周辺では「ウルの王墓」と呼ばれる墓が

16基ほど発見されているそうです。

 

ジックラトの裏手には都市遺跡。

このアーチ門も4000年崩れずに残っています。

なんかもうスゴさがよくわかんなくなってきた。

 

壁面を飾る粘土板の裏には刻印が。

いちばん発展したウル第三王朝を建てた

ウル・ナンム王のしるしなんだそうです。

 

王墓のひとつに入ってみます。

なんかものすごいバランスでできてますね。

これでも崩れないんだからやっぱりすごい。

 

さらに下に石室があります。

初代ウル・ナンム王の息子の墓だと

説明がありました。

とても多くの殉葬者を伴ったそうです。

 

石室の奥はこんな感じ。

今は何もありません。

真っ暗だし、狭いし、クサいし…

さすがにこれ以上は行けないですね。

 

ここのレンガには

第2代のシュルギ王の印があります。

いや、読めませんけどね(笑)

そういう説明がありました。

すき間に見える黒いものは

接着剤代わりに使った

当時のコールタールだそうです。

 

向こうにさっきのジックラトが見えます。

 

別の場所には

野ざらしの甕棺がありました。

実は「発掘途中」なんでしょうか。

ほんとに入って良かったのかな…

 

こちらは棺ではなく下水道管。

当時の都市の発達ぶりが伝わります。

くどいようですが4000年前ですよ。

 

都市跡にはこうした下水管が何本も。

比較的新しいものでは排水口も残ってます。

もう現在のマンホールだと言われても疑わないレベル。

いろいろ価値観をひっくり返されます。

 

そして帰り際にふと目に留まったのが

「撮影禁止」の看板(笑)

おいおい、先に言ってよ。

でも案内解説のフセイン教授も

お目付け役の観光省のお役人も

目の前でバシバシ撮ってて何にも言わないし。

そのへんの価値観もいろいろ混乱しますww

 

ま、いずれにしても

かなり貴重な写真を撮れたことは間違いなさそう。

 

ウル遺跡をたっぷり堪能したあと再びバスへ。

このあといったんバグダッドへ戻ります。

その距離なんと350km。

思えば遠くへ来たもんだ。

 

途中、お昼ゴハンのためにサマーワに寄り道。

その後日本の自衛隊が駐留したことで有名になりました。

 

人口数十万人規模の大都市なので

街は賑わっています。

 

アパート2階の飾りなどがアラブっぽいですね。

 

きょうのお昼ゴハンはここ。

ラマダン中は日中飲食しないことになっているので

基本的に多くのレストランは休業なのですが

一部営業しているところもあって、

そういう店の入り口は布で覆い隠されています。

 

店内のようす。

ほんっとに「街の食堂」って感じです。

天井の装飾がすごく凝ってますねー。

食堂なのに寺院みたい。

あれ、他にも食事してる人がいるぞ。

イスラム教徒じゃないのかな?

 

このお店でも壁で大統領が微笑んでますよ。

 

この日のメニューも

ホブスにティカ(肉の串焼き)、トマトスープ。

ワタシは美味しくてうれしいんですが

年配者の胃腸はそろそろお疲れかも。

ここの代金も1人あたり約100円でした。

これだけ肉食えてこのお値段。

もう一度行って腹いっぱい肉食いてぇぇぇ。

 

これは飲食店の営業許可証。

顔写真入りとは日本より厳格な。

 

食後にオシッコがしたくなり、店員さんに聞くと

向かいのアパートの共同トイレを指示されました。

お店ごとにはトイレついてないのね。

 

廊下奥の階段下

隠れるようにそのトイレはありました。

未舗装道路脇の1階なので足元泥だらけ。

お食事中の方すみま…いや、

食事中にスマホいじっちゃダメでしょ!(←お母さん風w)

 

アラブらしく

手でおシリを洗うためのジョロがありますね。

もちろん紙はありません。

手前の管は2階のトイレから。

ああ、こんなに細い管だと紙は詰まるでしょうね。

 

バスに乗る前に周囲をちょっとお散歩します。

なかなかイカした少年がいますよ。

剃り込みバリバリ入ってる…

昭和のヤンキーを思い出しますw

でもすごく人懐っこくてイイ子でした。

 

他の人撮ってても入ってくるし。

おっさんのピースサインも素敵ですw

 

子供がいっぱい集まってきました。

なぜかみんな写真が好きみたい。

一瞬の差で隣のツアー客に目線取られた…

 

あらためてリベンジ。

どうせならオンナノコだけ集めて(笑)

 

みんなすっごく明るくていい笑顔。

撮ってるこちらが癒されます。

 

もっと撮っていたいけど

バグダッドはまだ遠い。

バスに乗り込んで出発です。

 

市内中心部のようす。バスターミナルかな。

オレンジと白で塗り分けられてる車は

タクシーなんだそうです。

 

再びハイウェイへ。

目的地への距離表示で見ると

バグダッドまではまだ263kmあります。

アラビア語と英語の2段表記ですね。

アラビア語は右から左へ読みますが

数字の部分だけは左から右です。

ディワニヤまでの距離が英語では83kmなのに

アラビア語では「82km」になってるのはご愛敬。

 

街の入り口にも大きな大統領碑が。

やっぱりなんかすごいなぁ。

 

長距離をハイウェイで走っていると

途中で何か所か検問に遭遇します。

検問の予告標識撮っちゃいました。

検問周辺は撮影禁止なんですけどね。

これはバレなかった。

 

遠くに貨物列車。

…というか、保線用の工事列車かな。

線路や枕木を積んでるようです。

 

そして走ること3時間半ほど

夕方にバグダッドへと戻ってきました。

 

こちらの肖像画もまた凝ったデザイン。

国旗に囲まれたうえに

ライオンに守られてますよ。

なんかお参りでもする場所みたい。

 

大統領の銅像もあちこちにあります。

でも銅像は撮影禁止らしいです。ほんとは。

 

バグダッド中央駅へもう一度。

首都の中央駅にしては質素だと思ったら

こちらは荷物や業者の通用口のようです。

駅構内は絶対撮影禁止。

さすがのワタシもここでは無理でしたw

列車とか撮りたかったけどなぁ。

 

せめて記念にキップが欲しいっ!と

ガイドさんにお願いしたらゲットできました。

うわぁ、これもなんか素っ気ないなぁ。

夜行列車(寝台車?)のキップらしいです。

文字が全く読めないので余計キップに見えませんが

右側のいちばん上には

「モスル―バグダッド」と書いてあります。らしいw

500ディナール取られましたけど、

それでも40円ほど。ウソのような安さです。

 

そして夕食。

この日のメニューもホブス、チキン…以下略。

写真も撮ってません(苦笑)。

 

ただ、全員分の食事代金を

まとめて支払う様子はちょっと壮観。

とにかく250ディナール紙幣しかないので

1万ディナールでも40枚が必要。

テーブルの上を札束が乱れ飛び

なかなかバブリーです。

 

食事のたびにお金持ち気分。

金銭感覚まで狂ってきますね。

 

翌日は一転、北へと向かいます。