各セールスステップのデータを収集することで、商談にもっていくことの上手なセールスマン、クロージングにもっていくことの上手なセールスマン、つまり誰は何が上手で、何に問題があるのかが明確になる。これがセールス活動を科学することなのである。
いちばん大切な活動に、どれだけの時間が使われているか
(1)スケジューリング技術の習得
無駄な時間、会議や移動の時間を減らし、お客様と会う時間を増やす。
(2)セールスステップの設計技術・改善手法の習得
セールス活動を詳細に観察して、無駄な箇所や改善方法を考える。たとえば訪問をダイレクトメールやテレホンマーケティングに変えるなど、セールスステップを改善する。
(3)セールスステップを上る手法・道具の改善・開発
ビデオのようなビジュアルなツールを使うなど、セールス活動を改善する。
前回でも触れたようにセールスパワーを倍増するには、セールスの実態を科学的に分析しなければならない。セールスのいちばん大切な活動に、どれだけの時間が使われているか。どうすればその時間を増やすことができるか。セールスステップをかけ上がるスピードを、どのように短縮していくかを科学していく。
「科学する」とは、現在の事象を観察してデータをとる。データをもとに仮説を立てる。仮説を立てたら検証して、法則を見出すこと。もし法則を見出せなかったら、さらに観察をする。そして、仮説、検証を繰り返しながら、いちばんいい方法を見出していく。
管理指標で誰は何が上手で、何に問題があるのかを明確に
まずはセールスマンの現実をデータ収集すること。データを収集するには、セールスマンを管理するための指標が必要である。例をあげて説明しよう。
A君は100件訪問して、20件の商談ができて、そのうち5件をクロージングできた。B君は100件訪問して、商談が25件、クロージングが5件。C君は100件訪問して、商談が40件、クロージングが5件。この数字には3名それぞれの活動の特徴が出ている。
C君は商談のできるノウハウをもっていて、A君はそのノウハウをC君から学べる。しかしC君はクロージングできる確率が低い。この確率の高いのはA君なので、A君から学べる。
データを収集することで、商談にもっていくことの上手なセールスマン、クロージングにもっていくことの上手なセールスマン、というように特徴が分かれるのだ。誰は何が上手で、何に問題があるのかが明確になる。これが科学することなのだ。
訪問したときに商談ができれば、セールスステップはひとつ上がったことになる。商談によって受注がとれればクロージングとなる。2つのステップで上昇率が倍増すれば、2×2で4倍の受注率になるわけだ。
実際は、セールスステップを7~8段階に分けて、一人ひとりのデータをとる。そして平均的な水準を算出して、いちばん効率のよいセールスステップのかたちをつくる。各ステップの改善によって、訪問→商談が20%から22%へ、商談→クロージングが25%から27.5%へと引き上げられればどうなるだろうか。できるセールスマンとできないセールスマンの成果は倍も違うのだから、このぐらいの改善ならできる。
たとえば、訪問100件→商談20件(商談率20%)→クロージング5件(クロージング率25%)を商談22件(同22%)→クロージング6件(同27.5%)にアップさせたら、どんな結果になるだろうか。5件のクロージングを6件に増やすとする。クロージング率は20%のアップだが、1カ月の売り上げが20%増えるということは、5000万円の売り上げが6000万円に増えるということである。
自社に優秀なセールスマンや優秀なセールスマネージャーがいるかどうかでなく、個々のセールスマンをレベルアップさせていくシステムをもっていることが大切なのである。