山本兼一さんの「花鳥の夢」読了。「利休にたずねよ」を読んで以来新作を楽しみにしています。

この本は安土桃山時代の絵師、狩野永徳が主人公。天才的絵師でありながら自らが本当に描きたいものと、狩野派の棟梁として描くべきものの間で葛藤する。絵の道を極めようと描きまくりすごい作品を残したのですが、wikiを読むと働き過ぎで過労死したそうです…

永徳の嫉妬の対象として出てくる破門した長谷川等伯との対称性が印象的でした。絵を描いているときに永徳は魂を込めて鬼気迫る勢いで描く。等伯は弟子と冗談を言いながら笑いながら描く。

今の時代でも楽しく仕事してる人の方が輝いてるし、いい仕事をするものですが、永徳には背負ってるものが大きすぎて出来なかったんでしょう。

永徳は常に俺が俺がというレベルから抜けられなかった。現代の経営者でも自分の成長を邪魔するのはこの部分であることが多いなと思います。

ちょうど今年このライバル長谷川等伯を主人公とした「等伯」が直木賞を受賞しました。安部龍太郎さんの本は今のところ印象に残ってるのがないのですが、続いてこの受賞作を読んでみようと思います。

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