今年最初に読んでみた一冊。早くも今年一番の本かもしれない。

「世界の経営学者はいま何を考えているのかー知られざるビジネスの知のフロンティアー」
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4862761097/ref=redir_mdp_mobile

著者はアメリカのビジネススクールで活動している数少ない日本人経営学者で、経営学の最先端をわかりやすい文章で伝えてくれています。

いい書籍だったり、いいセミナーというのは読んでいて、受けていて自分のビジネスに関していいアイデアが浮かんだり、やるべきことが見えてきたりするものだと思っています。これはまさにそういう本。

ビジネス書で「ある経営方針を取った企業の方がその後の業績が20%高くなった」と戦略と業績の関係を示して書かれていてもそれを信じてはいけないといったあたり、ビジネス書を読む人にはぜひ知っておいて欲しい。

一番印象に残ったのは「両利きの経営」のところ。知の探索と知の深化の両方を高い次元で、しかもバランスよく同時に実現しなければならない。

自分のビジネスが技術革新のスピードが速く不確実性の高い環境では、企業は積極的に自らイノベーションを起こす必要があるため新しい知の探索がより必要。比較的安定した事業環境では知の深化がより重要。

この辺りのバランス感覚が経営者だけでなく組織として理解出来ている企業は強い。

僕らの仕事なら知の深化が大事になるわけですが、知の探索を怠るとコンピテンシートラップにはまり込む(イノベーションのジレンマとは少し違います)。

他にも経営学から見るソーシャルとか、アメリカじゃドラッカーは読まれてないとか、ポーターの戦略だけではもう通用しない、ハーバードビジネスレビューは学術誌ではないとかいろいろ面白い。

まだ正月休みが残っている方で経営学に興味があれば気軽に読めますのでぜひ一読をオススメします。

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