購読しているニュースレターに「伝説の熱海会議」のことが書かれていました。

リーダーとはこうあるべきという教訓を得られる内容です。

熱海会議は昭和39年7月にニューフジヤホテルで開かれた松下の全国販売代理店社長懇談会のこと。

この当時、日本は不況の入り口にあり、松下の販売店の会社も赤字経営と苦しい状況に陥っていた。

初日から会議は白熱し、激しい応酬が続く。

最古参の代理店社長が「親の代から取引して数十年、ナショナルの旗を振ってきて残ったのは赤字だけだ」と文句を言えば、幸之助は「同じナショナルの旗でも振り方が違う」とやり返す。

幸之助に苦情と批判が浴びせられるも「そうは言うてもすべてが赤字やない。黒字のところだってある。皆さん本当に血の小便が出るまで苦労されたことがありますか」と応酬。

たださすがに、多くの社長から「松下は儲かっているのにわれわれが儲からないのはどういうことか」との発言が相次いだときには幸之助も言葉に詰まった。

会議も3日目に入り、結論は出ないとみんなが感じはじめていたとき、幸之助は突如頭を下げて話し始める。

「皆さんの言い分はよく分かった。松下電器が悪かった。この一語に尽きる。30年近く前、相撲で言えば幕下だった松下の電球を大いに売ってくださったのは皆さんでした。いまの松下電器があるのも皆さん方のおかげ。松下電器がまず改め、そのうえで皆さんにも求める点があれば改善を求めたい。売り上げの減少など、この際問題ではない。もう、誰が悪いではなく心を入れ替え、出直したい」

今まで苦情を言っていた社長たちもこの一言で涙を流し、団結を誓った。

そして当時69歳の幸之助は言葉だけでなく、会長職から「営業本部長代行」の職に就き、営業本部長の机の横に自分の机を置いて第一線に返り咲いた。

それから松下電器とその販売店の業績は回復へ向かった。

これが「熱海会議」の概要です。

まさに改革を進めるときのリーダーの仕事だなと思います。

1.まず、自らの過ちを率直に認める

2.自分たちが身を切って改善することを約束する

3.その上で相手にも努力と改善を求める

4.自らが先頭に立って改革を進める

この4ステップでやらないと誰も協力しないと思うんですよね。

先日、消費税増税法案が衆議院で可決されましたが、これなんかは典型的なダメパターンです。

1と2をすっ飛ばして、3の国民に負担を求めるところから始めてしまう。

なんてセンスのない人たちが政治家になってるんだろうと思って見てました。

自分の会社を改革、改善したいとき、まずやるべきことは1と2です。

その姿勢を見てはじめてスタッフは動いてくれる。

多くの会社の社長も、今の政治家と同じく「うちのスタッフはダメだ・・」とおっしゃっていることが多いです。

やるのはまず自分。

動くのは社長から。

社内はそれで変わります。

自分もその時が来たらちゃんと出来るようなリーダーでありたいなと思っています。