テレビで特集されていたのをたまたま見て、おもしろそうと思って本も読んでみました。
日本有数の進学校である灘中・灘高の国語教師を50年続けた橋本武さんのお話しです。
今も98歳でお元気で、まだやりたいことがいっぱいあるから120歳まで生きるとおっしゃっています。
この橋本先生の授業が独特で、3年間の国語の授業をたった1冊の岩波文庫「銀の匙」を読むことに費やしたそうです。
授業は毎回脱線しまくり、横道にそれまくり、2ページも進まないということが多かったとか。
しかし、それが生徒の興味を引き、自由な発想を引出し、国語力を飛躍的に高める。
そして灘高は東大合格日本一になりました。
教え子の中には、東大総長、最高裁事務総長、県知事、弁護士連合会総長などなど、各界で活躍する人がたくさんいます。
橋本さんが最後のところで「結果が出たのがよかった」とおっしゃっていたのですが、それは東大合格者が日本一になったことを言っているのではなくて、教え子たちが還暦を過ぎる頃になっても精力的に世の中に貢献していることを知っての発言でした。
いろいろと考えさせられる、参考になるところの多かった一冊でした。