先週、来年度の税制改正大綱が決定しました。


すでにお客様には速報でメールをお送りしましたが、ブログにも。


いろいろニュースで見られた方も多いと思いますが、法人税率を引き下げて、個人の税金を上げるという内容です。


高所得者や富裕層にかなりの負担を負わせる内容になっていて、資本主義の国ではない方向へ行ってそうな印象を持ちます。


格差是正、所得の再分配って言いますけど、この辺は難しい問題ですね。


では、以下で解説してみます。


1.法人税率


・中小企業の法人税率が800万円以下の利益は18%⇒15%に、800万円を越した部分に関しては、25.5%に減税


平成23年4月1日以後の開始する事業年度から適用になります。


実際のところ法人税をたくさん払っている会社はそれほど多くはないので、中小企業にとっては効果は限定的かなと思います。


ものすごい額の法人税を払っているお客様にはもちろん効果的な減税です。


2.給与所得控除の縮小(所得税、住民税)


 ・年収1500万超は控除額245万で打ち止め
 ・会社役員の高額役員報酬は、さらに最大2分の1まで圧縮


ここが一番お客様に影響があるのではないかと思います。


年収4000万円の役員さんの場合、年間120万円ほどの増税になります。


今後、役員報酬を決定する際は、今以上に詳しいシミュレーションをして決めないといけないですね。


3.成年扶養控除の廃止 


 ・年収568万(所得400万)超は廃止・縮減
 ・扶養家族が、学生・障害者の場合は継続


子供手当の財源を確保するために、控除はサクサク削っていく方針のようです。


配偶者控除の廃止は先延ばしされたとのことです。


これやると選挙に勝てないと判断したようですよ(笑)。


4.退職金の優遇税制縮小


 ・勤続5年以下の役員で優遇廃止


5年以下で退職する役員はそれほど多くないので影響は少なそうですが、今後退職金の優遇税制にもメスは入っていきそうです。


5.雇用促進税制


 ・雇用を10%以上増やした企業は、一人あたり20万円を控除(雇用保険者が対象)


これは成長企業にとってはうれしいですね。活用できる会社さんは積極的に活用しましょう。


6.相続税


 ・基礎控除を「3,000 万円+600 万円×法定相続人数」へ引き下げる
 ・高最高税率を55%へ引き上げるなど税率構造を見直し


富裕層狙い撃ちです。相続税を払う対象になる人が増えることになります。


7.税務調査


・飛び込み調査は基本的にしない


これ、意外と大きいかもしれません。ベンチャーサポートのお客様は稼いでいる方が多いからか年間数件飛び込み調査がありました。


これがかなり悪質と認められる場合に限定されるようです。


大綱の概要は以上になります。


「税金は環境である」と高名なコンサルタントの方がおっしゃっていました。


確かに日本でビジネスをし、生活をする以上、日本の税制はどう変わってもそれは「環境」ととらえて受け入れるしかありません。


それにしても、起業家・企業家にとってはあまりいい方向に向かってはいなさそうで心配にはなります。


民主党政権もいつまで持つかわかりませんし、また近い将来大きく変わる可能性もあります。


僕らのような税理士事務所はその与えられた「環境」の中で、お客様が最適な選択をできるようにサポートするのが仕事です。


これからも頑張りますー。


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