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警部の声「お嬢ちゃん、この写真の男に見覚えないかい?」
あすかっちの声「……ないよ。警察の人?」
警部の声「うん、こういうもんだよ」
あすかっちの声「立浪義一(たつなみぎいち)?野球の監督さんみたいな名前。警部さんなんだね。……どこかで見た顔だね」
警部の声「そういえばお嬢ちゃんもおじさんの知った顔の奴と、女の人と両方に似てるよ」
あすかっちの声「警部さんに似た男の子の写真が、お母さんのアルバムにあるよ。一緒に写ってる。中学生ぐらい」
警部の声「ええ?お母さん、なんて名前?」
あすかっちの声「高峰暢子」
警部の声「それ、おじさんの幼なじみの名前だ。結婚して高峰になったんだ。でも表札が臼田……」
あすかっちの声「高峰のお父さんとは離婚したの。臼田っていうのは今のお父さんの苗字」
警部の声「奴と離婚してたのか……」
あすかっちの声「お母さんに会って行きなよ」
警部の声「え?そんな……いいのかい?」
警部「ノンちゃん!ひさしぶり、義一だよ」
ノンコ「義一ちゃん、お願い、こっちを見ないで。私……」
ノンコ「こんなみすぼらしい姿を昔の友達に見られたくなかったわ」
警部「みすぼらしくなんかないよ、昔のままのノンちゃんだよ」
ノンコ「義一ちゃん、私もう歩けないのよ。お医者と再婚したの」
警部「お嬢ちゃん、高峰そっくりだな。ノンちゃんにも似てるけど……」
ノンコ「あの子、誰に似たのか人に会うの好きで」
警部「ノンちゃんだってみんなのアイドルだったろ」
ノンコ「私は恥ずかしがり屋なのよ」
警部「教師やってたんだろ」
ノンコ「この腰を痛めて退職したわ」
ノンコ「あすかちゃん、帰ってもらってちょうだい」
あすか「お母さんは母家に帰ろう。私は警部さんとお話ししてる」
警部「ノンちゃんは放送部のアイドルでね。あとでミス北大にも選ばれたってね。男子はみんなノンちゃんが好きだった。女子からも人気はあった。おれは高校から東京へ来てたから、ノンちゃん北大を卒業して自衛官の男と付き合ってるって聞いて、ああーって気分になったよ。非番の時北海道へ帰ってソイツの顔見たけど、若い頃の草刈正雄みたいないい男でさ、目が青っぽくて、ただ、父親がいなくて色々な噂があった。おふくろさんと暮らしてた。お嬢ちゃんソイツそっくりだよ」
あすか「前の父とはあんまり似ていたくないんだ」
警部「おれはノンちゃんと幼なじみだったけど、おれは高校出たあと東京で警官になっちまって、北大出のノンちゃんとはとてもつり合わないと思って……でも、自衛官の高峰って奴は防大出で、お見合いした相手と何度か会ってから1年もほっとくような奴で、ちょっと危ないんじゃとは思ってた。ノンちゃんが東京で教師やってるって聞いたときはどうしようかと思ったけど、その時には奴と結婚してたし……」
あすか「なんだよ、警部さんうじうじうじと。もっと早く助けてくれりゃよかったのに。私もお母さんも、大変な目に遭ったよ」
警部「警察は民事不介入なんだよ。個人的に動くわけにもいかないんだよ」
あすか「殴られたことより、精神的DVのほうがつらかったよ」
警部「うん、知ってたら力になりたかったけど、ノンちゃんは友達には、自分は幸せでなんの不自由もない、仕事が忙しくて楽しいってずーっと言ってたんだよ」
あすか「そりゃ、うちのお母さんらしいね。モテてたのになんでよりによってDV夫選ぶかな」
警部「あの男なら、女は誰だって恋しちまうだろう。ノンちゃんだったら何も知らない人から見りゃお似合いのカップルだ」
警部「ノンちゃんずっと苦しんでたんだね。中学の頃は成績がよくて優しくてキレイで明るくて、一番幸せになれそうな人だったのに」
あすか「今は不自由だけど不幸じゃないよ、警部さんは奥さんとか子供は?」
警部「おれも離婚して、子どもはいない。以来ずっと独り身だよ」
あすか「事件を追ってるんだよね」
警部「幸い、この家とは関係ないよ。聞き込みだから気にしないでくれ」
アインシュタイン先生「刑事さん?娘が何か?」
警部「あんたがノンちゃんの今の旦那さん?」
あすか(右)「お父さん、その人お母さんの幼なじみだったんだって。中学の時のお母さんの話が聞けるよ」
アインシュタイン先生「幼なじみ?」
警部「ノンちゃん、随分年取った人と再婚したんだね」
あすか「私、お茶入れてくるね」
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ノンコさんの幼なじみが偶然やって来ました。
なんと警部さん。
アインシュタイン先生と再婚する前にこの「義一ちゃん」と再会していたら、全然違う話になっていたかもしれませんね。ノンコさんも今でも教壇に立っていたかもしれません。巡り合わせとは不思議で皮肉なものです。
中学の時のノンコさんは、今と全然違う性格でした。自衛官の前夫が彼女をボロボロにしてしまったのです。
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