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了くん「あすかっち、母さんの風呂介助終わったの?」
あすか「うん。でも、お母さん頭がすっかり元気になっちゃって、やれ要領が悪い、電気をつけろ、腰をしっかり押さえてろ、グズ、バカ、お湯かけるの遅い、って散々怒鳴られたよ」
了くん「母さん元に戻ったのか。認知症じゃなくなったんだ」
あすか「今まで処方されてた睡眠薬を間違えて昼間飲んでたからボーッとしてしおらしかったんだ。薬を正しく飲み始めたらまたあんなガミガミババアになっちゃった」
了くん「おれも職場ではいろんな利用者さんにいろんな目に遭わされてるけど、お世話そのものが好きだから、利用者さんの態度は気にならないよ。介護士の仕事は利用者さんに快適に過ごしてもらうことであって、利用者さんと仲良くすることじゃないんだ」
あすか「了くんはお金もらってるじゃん、私はただ働きだよ。小説書く時間も減って収入激減だよ」
了くん「あすかっち、頭がはっきりしてしまって一番辛いのは母さんなんだ。それに、子どもというのは何の見返りもなしに愛情はもらえない。子どもの本分は勉強でも愛されることでもなくて、家族の労働力となることだよ。お金をもっとたくさん持ってくるか、家事労働を増やすかなどして役に立たなければ殴られたり追い出されたりする時代もあったんだ。ここに置いてもらってるからには我慢しなけりゃならない。子どもに家は貸してもらえない」
あすか「あんなお母さんなら家賃入れて介護料金もらった方がマシ。私は介護師じゃない。自分の食費は自分で稼いでるのに割が合わない。ここ1ヶ月ほとんど寝てないし学校も行ってない。だったら歌舞伎町に戻ってまたSM嬢やる」
了くん「……それはおれがいやだなぁ」
了くん「ま、母さん最近段々おれを受け入れるようになったからね。着替えの支度ぐらいは手伝わせてくれるようになったし、あすかっちの負担は軽くなったはずだよ」
あすか「そんなの嬉しくない。お母さんに威張られて命令されるのが一番我慢出来ない。今日のお母さんは腰以外どこも悪いところないよ。キビキビ脱いで、キビキビ自分で洗って。ただ、お口がとっても憎らしい」
了くん「それな。あすかっちもプライド高いから、介護士には向かないんだろうな。でも、そんな泣き言は言うなよ」
あすか「お金くれるならどんな気持ち悪いプレイでも我慢するよ。お母さんだと思うと優しくなんて出来ない」
了くん「母さんのことはお客さんだと思うしかないなあ。でも、子どもは親の欲望の産物だから、子どもの命は親のものだよ。だから子どもに人権なんて考えは新しいんだ。学校にも行かなければ働きもしない子どもを養う義務は親にはない。あすかっちの生まれた世界はどうか知らないけど」
あすか「お金は自由への代償だよ。お金があれば何でも買える。私はみんなのご飯作って、真夜中執筆してるの。これ以上お母さんにガミガミ言われるなら了くんがイヤだって言っても…」
了くん「分かった。おれが母さんの介護やるよ。おれは罵られても平気だから」
ノンコ「嫌よ、男の子に裸見せるなんて。お父さんだって嫌よ」
了くん「母さん、おれプロの介護士だよ。絶対気持ち悪い思いはさせない。あすかっちより上手に風呂介助出来るし、オムツだって綺麗に替えられるよ。それにあすかっちが、これ以上母さんがガミガミ怒るなら、その……家を出て、げ、げ、芸者になるって」
ノンコ「あの子に着物なんてひとりで着られないわよ。楽器演奏もジャイアンの歌並みに苦情が来たし。すぐ帰ってくるわよ」
ノンコ「あすかちゃん以外の人には世話させません。ヘルパーさんなんて呼ばないでね。うちはいつも満床の病院と違ってそんなにお金ないのよ。それに私、オムツはひとりで替えられるわ。あすかちゃんにそんなに苦労させてないはずよ」
了くん「と、いうわけで拒否された。もう怒鳴らないからあすかっちに頼むって。父さんは副地区長の会合で忙しくて……」
あすか「うん、わかったよ。ありがとうね」
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いくら了くんに冷たいノンコさんとはいえ、男としてあすかっちの口からノンコさんの陰口は聞きたくなかった了くん。一瞬ノンコさんはぼんやりしていたままのほうがよかったのかもしれないと思ったようですが、了くんはその考えを振り払いました。
でも、せっかくあすかっちは風呂介助に自信がついてきてたのに、今度は風呂場で大喧嘩になりそうです。また、子どもでも働けるパラレルワールドは、いいことばかりではありませんでした。
これではアヴァロンのりんごを巡って黒戸製薬と戦うどころではありません。毎日、家の中が戦場です。
この日、日本で初めての女性総理大臣が誕生しました。
いつもフォロー・イイネ・コメありがとうございます。
うちの母は歩けない以外は元気です。外の人と会話しないので
世間知らずになっちゃいましたが、
それでも介護は必要なくなり、口は達者です。
こわいのは父が倒れた場合です。
私は父の預金がどこにあるか知りませんし、
暗証番号も知りません。
入院になったら?
介護するようなことになったら?
こんな話をしたら、また父は口を利かなくなるでしょう。
もしも
記事の更新だけ続いて
コメ返もみなさんへの訪問もなくなったら
その時が来たと思ってください。
本日もお付き合い頂きありがとうございました。
また明日お会いしましょう。










