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ノンコ「お母さんの小学校の頃にね、市長のお嬢さんで、新子ちゃんっていう子がいてね。貧しい人や障害を持った人を家に招待してご馳走したり、泊まらせたりしてもてなしてたわ。お母さんもしょっちゅう誘われた。でも、絶対行かなかったわ」
あすか「ふむふむ」
ノンコ「っていうのはね、当時、お母さんがお弁当を食べ終わった時に、新子ちゃんが弁当箱をのぞき込んで『ノンコの家、おとうさんがいないのにどうして鮭の皮残すの?』って叫んだのよ」
あすか「お母さんは貧乏人だって言いたかったわけね、新子ちゃんって人」
ノンコ「悔しかったけど、お母さん怒らずに『私、もともと東京の人間なの。本籍は東京にあるの。東京じゃ鮭の皮食べる人いないよ』って言ってやったわ」
あすか「私たちはそもそも、他人の弁当箱を覗くことはしないな。市長の娘なのに品がないね」
ノンコ「でしょ。で、新子ちゃんはそのあと、ある病気がちな子を毎日呼んで、ごちそうして2か月間泊まらせてたわ、で、その子の陰口を言うのよ。”2か月も泊めたのに、一度も手土産を持ってきたことがない”って。新子ちゃんぼやくのよ、なんのために泊めてるんだか」
あすか「それって”感謝強盗”だね。向こうが頼んでるわけじゃないし」
ノンコ「まあ、そういうことね。だからお母さん、それからチャリティとかには参加しないの。慈善どころか偽善よ」
ノンコ「あすかちゃんは、新子ちゃんみたいに他人に恥をかかせる人間にならないようにね」
あすか「その新子ちゃんて普段、どういう感じの人だったのかな」
ノンコ「そうね。食べ物がいいから、男子より太っていたわ。歩くと教室がミシミシいうの。市長の娘じゃなかったら、逆に色々言われてたかもしれないわね」
あすか「お母さん、小学校は小樽にいたんだね」
ノンコ「ええ。その後新子ちゃんは中学受験して、お母さんとは中学は別々になったから、その先は知らないわ。でも、『鮭の皮食べないの?』って言われたことは一生忘れない。一生恨んでやるわ」
あすか「そういう恨みの心って身体に悪いと思うけどな。新子ちゃんって人は新子ちゃんのご両親の方針でそういうことしてるんでしょ。新子ちゃんだけを恨むのはおかしいなあ」
あすか「新子ちゃんってどこの中学に行ったの?」
ノンコ「確か函館白百合。函館に親戚がいるって話だから、そこから通ったんじゃないかしら」
あすか「私も恨めしくなった」
ノンコ「オホホ、あすかちゃんはあの学校のセーラー服、意地でも着たかったのね」
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ようやくノンコさんとなかなおりしたのに、ノンコさんの小学校の時の嫌いな子の悪口で盛り上がるなんて幻滅…。
でも、あすかっちはノンコさんのご機嫌がよくなったので、それで満足でした。耳年増になるはずです。
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