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あすか(右)「マクレーン、住職やめちゃって平気?」
マクレーン(左)「今、仏像喫茶だけで充分食えるし、言いたいことも気兼ねせずに言えるからな。お釈迦様の原点に返って仏法を説ける。もっともお前が抜けちまったから栞里が淋しがってるけどな」
あすか「お釈迦様の発言が、科学的だから受け入れられてるっての、分かんなくなっちゃったからだよ」
マクレーン「複雑な宗派は要らないだろう。釈迦は生まれてくることは生き物が輪廻転生し続ける苦の世界として、全宇宙から自我が消滅する涅槃を目指して修業した。意識も肉体と不可分で、霊魂の存在も否定した。業による転生から逃れ、解脱を果たした者は二度と生まれてくることはない。それが宇宙の真理だ」
あすか「うん。仏教の最終目標が無になることだって分かって、幻滅しちゃったんだよね。釈迦の教えでは浄土も存在しないってね。それじゃ私には仏教必要ないなって思ったの。無になるなら何のために通夜や葬式があるのか分からないし、お墓も要らないよね。読経に大金積む必要もない」
マクレーンの声「俺も寺を売った。人は生前の行いによって生まれ変わり続けるが、釈迦は人生は一度きりで死んだら浄土へ行くという考えも否定したし、苦しい修行無しでも死んだら無になるという考えも否定している」
あすか「私は今、考え方違うんだ。宇宙には不変の魂が無数にあって、自分で自分のやってみたい人生を決めて生まれてくるって考えてる。最初から最後まで、シナリオを自分で書いてるって思うんだ。終わったら次の旅をまた考える。体験することで魂を磨くんだよ。苦労が多いほど魂が得るものは大きいって」
マクレーン「それは少し前に流行ったなんとか系のなにかか?」
あすか「分かんない。だけど宇宙には善も悪もなくて、やってみたいと思ったら実現するんじゃないかな。今まで転生で不幸になるのは何かの罰だと思ってた。でも、自分で決めたことなら納得する」
マクレーン「そしたら苦労したがらない奴ばっかにならないか」
あすか「苦労を体験してみたいって魂はあるはずだよ。それに、ラクして違う自分にはなれないよね」
マクレーン「なるほどな」
あすか「ずっと死恐怖症だったけど、こう考えることで落ち着いたんだよ。それで初めて、他人を幸せにできるって思った。今の自分が考え方を変えないと、誰も幸せになれない。祈りより行動、まず自分がしっかりすること。ただ恐れて震えてるよりよほどいい」
あすか「それが真実かどうかは分からない。だけど私は、それを信じる。他人に言って歩くことじゃないけど、目に見えないものは大事にしていきたい。欲しければ与える人生にする。騙されない程度にね」
久美子(右)「マクレーンってば今日は早々に帰っちゃったわね」
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すべてのものに感謝して生きる。
過去も未来も、今いる世界線上も、自分が作ったもの。
あすかっちがこれまでの人生の中で初めて向き合った自分と出した結論はそれでした。
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